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地球環境保全のために動力とエネルギーの供給から見た機械工学の果たすべき役割
[Future Role of Mechanical Engineering from Viewpoint of Power and Energy Supply for Global Environment] |
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開催趣旨 |
機械工学の中心の一つであるエネルギーおよび動力システムにかかわる「日本機械学会動力エネルギーシステム部門」は旧動力委員会を引き継ぎ1990年4月に発足、2010年が20周年の記念の年にあたります。そこで、20周年を区切りとした記念に、この20年を振り返り今後の20年を展望するための国際シンポジウムを開催します。
さて、人類にとって大きな転換点が4つあると言われています。二足歩行(頭脳の発達と道具の使用)、火の使用(防御と料理)、大きな力を出す道具(巨石文明)、そして、火から動力を得る(現代文明)の4つです。現代文明は動力が大量に、安価に、安定に供給されることにより成り立っています。我々個人の任務は、文明の維持と発展にあります。これを可能にするには、動力の供給が為されることがその条件として根底にあります。動力供給には熱を得ることが必須であり、その結果としてCO2が排出されます。CO2の排出と文明の維持と発展は切り離すことができません。例えば、我が国では発電に一次エネルギーの半分が向けられていますが、CO2の排出は人類に大きな危機的局面をもたらすと指摘されてきており、これに対処すべく当事の鳩山総理は2009年の国連総会演説で日本のCO2排出量を2020年迄に対1990年比25%の削減を目指すことを宣言しました。しかしながら、現実として各種電源のCO2排出量(g-CO2/kWh)は、石炭火力で975、石油火力で742であり、原子力では22から25と低いものの、動力とエネルギーの供給のためにCO2排出は避けることはできません。現状の住環境、経済活動を維持し、CO2排出量を抑制することは、地球環境保全にとって、特にエネルギー資源を持たない我が国にとって大きな課題となっています。
このような視点で当部門発足後の20年を振り返ると、産業用ガスタービンは 約500℃もタービン入り口温度を上昇させ、タービン入口温度 1500℃のコンバインド発電化により、従来の熱効率40%未満を59%にまで引上げ、CO2排出量削減に大きく寄与し、今後も高温化、高効率化によって更なるCO2排出量削減への寄与を目指しています。また、殆どCO2排出が無い原子力の導入により発電の約40%をもまかなえるようになっています。他の動力・エネルギー生産システムも同様の発展をしています。
こういった発展に機械工学が大きな役割を果たしていることは言うまでもありません。当部門はこの20年間、国内の「動力・エネルギー技術シンポジウム」等各種行事、また、日米欧中と協力した原子力工学国際会議(ICONE)、動力エネルギー国際会議(ICOPE)、環境保全と原子力廃棄物対応国際会議(ICEM)の3つの国際会議を進めてきました。さらに、諸出版物も積極的に発行し、当該分野について社会の啓蒙活動に加え、国際会議による世界への貢献を進め、会員相互の学術の向上と社会への技術成果の還元を推進してきました。動力とエネルギーシステムの分野におけるこのようなこれまでの当部門の成果を踏まえ、部門設立20周年の節目において、また地球環境保全が重要視される転換期において、動力・エネルギー技術のこの20年の発展と今後20年の進むべき方向を、国内外の有識者を交え議論する場を設けます。 |
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開催日 |
2010年11月6日(土) 9:00〜17:30(予定) |
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会 場 |
関西大学東京センター
(東京駅北詰め サピアタワー9F http://www.kansai-u.ac.jp/tokyo/map.html) |
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プログラム概要 |
(1) |
内容
1)招聘者の講演
動力とエネルギーの将来に向けた機械工学の役割、期待をテーマとし、各講演者の視点や立場からの考えを講演してもらいます。
2)公開討論会
国内有識者の司会の下、国内外招聘者による公開討論会を行います。テーマを、機械工学への期待の中で日本機械学会動力エネルギーシステム部門の果たすべき役割とし、世界的規模の視点から部門活動の方向性を確認します。
3)総括討論、提言のまとめ
公開討論のまとめを行い、社会へ向かっての提言をまとめます。
4)講演要旨集
参加登録者には無償で配付いたします(シンポジウム終了後発送)。 |
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(2) |
会議次第 【講演概要】
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司会 原口元成(88期動力エネルギーシステム部門長/日立製作所)
刑部真弘(88期動力エネルギーシステム副部門長/東京海洋大学) |
9:00-9:02 |
開催挨拶 小泉安郎(国際シンポジウム実行委員長/信州大学) |
9:02-9:05 |
歓迎挨拶 松本洋一郎(88期日本機械学会会長/東京大学)(予定) |
9:05-9:45 |
講演1:Dr. Dale E. Klein(元米国原子力規制委員会委員長) |
9:45-10:25 |
講演2:Prof. Mingjiang Ni(中国動力工程学会 副会長) |
10:25-10:40 |
Coffee Break |
10:40-11:20 |
講演3:Dr. Peter G. Taylor(IEAエネルギー技術政策部長) |
11:20-12:00 |
講演4:水町 渉(JNES技術参与) |
12:00-13:00 |
Lunch |
13:00-13:40 |
講演5:浜松照秀(電力中央研究所 名誉特別顧問) |
13:40-14:05 |
講演6:佐野敏弘(東京電力 執行役員火力部長) |
14:05-14:30 |
講演7:前川 篤(三菱重工業 執行役員原動機事業本部副事業本部長) |
14:30-14:55 |
Coffee Break |
14:55-15:20 |
講演8:風尾幸彦(東芝 電力システム社 火力・水力技師) |
15:20-15:45 |
講演9:村野幸哉(IHI エネルギーシステムセクター副セクター長) |
15:45-16:10 |
講演10:小豆畑 茂(日立製作所 研究開発本部長) |
16:10-16:20 |
Coffee Break |
16:20-17:20 |
Panel Discussion
パネラー: |
Dr. Dale E. Klein(元米国原子力規制委員会委員長)
Prof. Mingjiang Ni(中国動力工程学会 副会長)
Dr. Peter G. Taylor(IEAエネルギー技術政策部長)
水町 渉(JNES技術参与)
浜松照秀(電力中央研究所 名誉特別顧問) |
コメンテーター: |
成合英樹(筑波大学名誉教授)、
小澤 守(関西大学教授) |
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17:20-17:30 |
Closing |
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参加登録費 |
参加は機械学会員以外の一般からも募集します。
会員(協賛団体会員含む) 12,000円、会員外 18,000円、学生員 5,000円、一般学生 7,000円
(前日の【第20回動力エネルギーシステム部門セミナー&サロン】にも参加登録された方は、
会員;9,000円、会員外;15,000円、学生員;2,000円 といたします。) |
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注1; |
参加登録いただいた方は、ご希望により前日の11月5日(金)に豊洲IHIビルで開催する【第20回セミナー&サロン】のサロンの部に無料にてご参加いただけます。但し、ご参加いただける人数には限りがございますので、申し込み先着順にて定員になり次第参加を締め切らせていただきます。 |
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注2; |
【第20回動力エネルギーシステム部門セミナー&サロン】
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申込方法 |
E-mailまたはFAXにて、「20周年国際シンポジウム参加申込み」と記載し、氏名、所属、会員区分(会員番号)、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス)、前日のサロン参加ご希望の有無、を明記の上、下記担当職員宛お申込みください。参加費は当日会場(サロンご参加の方はサロン会場)で現金にて申し受けます。
日本機械学会動力エネルギーシステム部門
[担当職員 川崎さおり]
TEL:03-5360-3502 / FAX:03-5360-3508 / E-mail:kawasaki@jsme.or.jp |
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問合せ先 |
(申し込み先に同じ) |
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協賛(予定) |
エネルギー・資源学会,化学工学会,火力原子力発電技術協会,計測自動制御学会,空気調和・衛生工学会,省エネルギーセンター,情報処理学会,石炭エネルギーセンター,ターボ機械学会,低温工学協会,電気化学会,電気学会,日本エネルギー学会,日本ガスタービン学会,日本原子力学会,天然ガス導入促進センター,日本混相流学会,日本マリンエンジニアリング学会,日本ボイラ協会,日本流体力学会,日本冷凍空調学会,日本金属学会,日本材料学会,日本高圧力技術協会,日本鉄鋼協会,廃棄物資源循環学会,腐食防食協会、電気事業連合会、日本電機工業会 |
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その他 |
会場でのパンフレット展示、講演論文集への広告掲載、講演論文集のご購入もご案内しています。
動力エネルギーシステム部門では、20周年企画として2011年秋に動力エネルギー技術に関する出版も企画しています。こちらもご期待ください。 |
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