一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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No.195 メカ好きなおばさんのつぶやき
2020年度広報情報理事 渡邉 恵子[日立Astemo (株)]

JSME談話室「き・か・い」は、気軽な話題を集めて提供するコラム欄です。本会理事が交代で一年間を通して執筆します。



2020年度渡邉 恵子[日立Astemo (株)] 

「メカ好きなおばさんのつぶやき」


私が機械学会に入会したのは、入社してから5~6年たったくらいで、学会発表をするために入会したという記憶があります。ここ近年は、まったく学会活動とは縁がなく、そろそろ学会も卒業しようかと思っていた矢先に思いがけず理事(広報情報理事)を担当することになったという不真面目な学会員であります。教授とか博士とかの肩書のない一学会員の他愛もないコラムです。気軽に読み飛ばしてください。

 

昨年度から理事会に参加させていただいておりますが、折に触れて機械学会の会員の減少や将来を担っていく子供たちの工学離れを懸念する危機感について考えさせられる局面が多くあります。確かに若年層の理系離れは10数年くらい前までは大きく取り上げられていましたが、ここ数年は持ち直しているようにも見えます。また、“理系女”という言葉がここ10年くらいクローズアップされており、女性の理系分野での活躍も目立つようになってきたようにも思います。新聞で見かけた大学の学部系統別志願者の割合の年推移をみると、工学系は2005年を底にして年々増加の傾向にあり、2020年では27.6%にも達していました。もちろん工学系といっても多様で、いわゆる機械工学から、土木、建築(デザイン含む)、情報工学などと多岐にわたっており、大学卒業後に機械学会とつながりの深い業種に進む学生が減っているのかもしれませんし、あるいは以前よりも機械学会に入会する意義が見つけられないようになっているのかもしれません。(ちなみに私も大学は理学部物理学科で、工学部ではありませんでしたので、入社当初は応用物理学会に入っていましたが、その後機械学会へと移動した次第)。昨今のデジタル化に伴って、AIエンジニアとかソフト開発エンジニア、ビッグデータアナリストなどのニーズが非常に高くなっているのは事実であり、抗えないことではあるのですが、ハードあってのソフトだと思います。ハードが作り上げるからくりの楽しさすごさは忘れないでほしいですね。技術者の力量がそこに集約されているのだということも。そうすればおのずと機械学会とのつながりも出てくるように思います。

 

FY19に機械学会の広報活動の一環として、サイエンスアゴラ2019に、“知って納得!ロボット掃除機で機械の仕組みを知ろう!”というタイトルで出展いたしました。身近に使われている機械の仕組みを伝えることで機械のからくりや面白さを知ってもらおう、子供たちに興味を持ってもらい、将来の進むべき道として機械工学の世界、技術者も選択肢に入れてもらおう、という意図で。2日間で約300名の子供たちが機械学会の展示ブースを訪れてくれ、来てくれた子供たちは興味津々でした。ただ親子で来場している場合が多く、親がこういうサイエンス系の企画に興味があるというパターンが多かった気がします。家庭や学校などの普段からの情報のinputが不可欠なのかなあと再認識した次第です。最近の子供たちは小さい頃からゲームやPCなどでバーチャルな世界に精通?しているので、そういう子供たちに、ハードのからくりがいかにすごくてそれを創り出すことがいかに楽しく、有意義なものなのかを体験して認識してもらいたいですね。そこで使われている技術のすごさを理解してもらえれば技術者もいいなあと認識してもらえるのでは・・・かっこいいものには憧れますから。ユーチューバーがなりたい職業第一位というのは寂しい限りです。

写真 サイエンスアゴラ2019の様子
ロボット掃除機のカットモデル、回転ブラシ機構等のパーツ、および無線LAN環境でのコネクテッド対応ロボット掃除機の実演を通して、身近で使われている機械の仕組みを伝えた。本会ブース2日間で約300名の来場。

 

子供を持つ親として、子供たちが小中学校のころは、否応なしにPTA活動にも関わってきました。その活動の中で、親子で一緒にやる行事を企画することがありましたが、ペットボトルロケットとか、スライムづくりのようないわゆる理系実験系のイベントは親子ともども盛り上がりました。誰も最初から興味がないわけではなく、興味を持つような機会、記憶に残る体験があったかどうかが重要なんだろうなと思います。でんじろう先生の実験番組をはじめとして、種々のサイエンスショー、いわゆる理科実験はもてはやされているので、そこで理科の原理的なところに興味を持ってもらって、一歩進んで機械工学のからくりによる技術のすごさにもあこがれてもらえるようにならないかなあと期待するところです。

 

脈絡がなくなってきたので最後に提案なのですが、過去の機械遺産を登録して後世に残していくのと共に、これから未来を担っていく若年層に興味を持ってもらうために、いろいろな機械のスケルトンモデル(ちゃんと動く機械)を制作して、機械学会でYouTubeなどでからくりが動いている動画をシリーズで発信するっていう企画はいかがでしょう。個々の企業、製品では製品アピールのためにスケルトンモデルを作ることもあり、家電売り場に並んでいるものもありますが、家電以外のものではなかなか一般の方が見る機会はないので、からくりのすごさ、先端技術のすごさに興味を持ってもらえるような動画を発信するって 機械学会ならではではないかなあとも思うんですが。わくわくして楽しそうだなあ!!(見る分には)