RMD logo

ロボティクスメカトロニクス部門
ニュースレター 第23号



部門長就任のご挨拶

 平成11年度のロボティックス・メカトロニクス部門の部門長を仰せつかりました.本部門はこれまで,歴代の部門長の卓越した指導力と,部門が持っている技術的吸引力に支えられて大きく成長してまいりました.私が委員長を引き受けたことで,このような勢いのある部門の発展にブレーキをかけることになるのではないか心配ですが,諸先輩のご指導を頂き,また部門が誇る活気のある若手の力を結集することで,今まで以上に活発な部門を作り上げていきたいと考えています.

 これからの機械工学は,今までと同様に人間の生活を支える基幹工学であり続けるでしょう.そして未来の機械は,間違いなくコンピュータ技術とエレクトロニクスとの融合を図った,いわゆる「知の機械」に向けて進化して行くものと考えられます.SF小説にあるような人間と見分けのつかないロボットが出現することは遠い将来かもしれませんが,すべての機械が知能化されたロボット的要素を持つようになる時代,いわば「すべての機械にロボットが宿る時代」はもう目の前です.このような技術進化の方向性を考えると,本部門が果たすべき責務の重大さが分かります.今後,ロボティックス・メカトロニクス部門は機械工学の中核として,学術研究のみならず,教育,産学の連携,一般社会への啓蒙など多方面にその活動を展開していかなければなりません.是非とも皆様方の積極的なご支援をお願い申し上げます.

広瀬茂男
第77期部門長
東京工業大学工学部
機械宇宙学科


第2回ロボットグランプリ

 平成11年1月16日(土),17日(日),パシフィコ横浜において第2回ロボットグランプリが開催された.今回は神奈川県が開催した「かながわサイエンスカーニバル」の併設大会として実施したこともあり,また会場,天気も良く累計でなんと8800人の観客が集まった.十分広いと考えていた会場も溢れかえるようであった.本大会では,大道芸ロボット競技,からくりマシン競技,ロボットランサー競技の3種目が競われ,参加したロボット台数は総計86台であった.本大会の様子はテレビ(NHK,CNNなど)のニュース,新聞(朝日,読売など)で大きく紹介された.

 写真1は大道芸ロボット競技の様子である.優勝したのは東工大機械宇宙学科3年のグループのハーモニカを鳴らしながらカスタネットを叩くぞうの形をしたロボット「ぞうの花子」であった.本競技への参加グループは大学や工業高校からがほとんどであったが,高知で屋台のうどん屋を営むという山口徹さんの製作した歩行ロボットの参加もあり,観客の喝采を浴びて努力賞を受賞した.

写真1 大道芸ロボット競技

 写真2はからくりマシン競技で優勝した小野電機製作所の「ぶんちゃん3号(遊園地)」である.重りが落ちる動力で遊園地の機械が動き出し,発電した電力でイリュミネーションが輝くというものであった.内部の歯車などは良く見えるようにフレームはアクリルで作られており,子供たちは動力伝達機構の動きも一緒に見ることが出来て大喜びしていた.

写真2 からくりマシン競技

 写真3はロボットランサー競技の様子である.この競技は槍を搭載した自律移動ロボットが,白線の周回コースをたどりながら左右に吊るされた標的を突きながら100秒間走行し総得点を競うものである.プレロボットグランプリから参加している伝説的な達人,田村真さんのロボキヨマサは今回も参加し,オーソドックスな走りで相変わらずの強さを見せた.しかし優勝したのは,コースから外れて得点の高い標的を重点的に突くという思わぬ技術を披露した芝浦工業大学電気工学科の土井浩之君であった.

写真3 ロボットランサー競技

 本大会では,観客からアンケートを集めた.その中には,「連れてきた子供が,大きくなったら絶対エンジニアになってロボットを作るんだ,と意気込んでました」というような回答もあり感激した.時節柄開催のための寄附金集めには大変な思いをしたが,そのような苦労も吹き飛ぶ思いであった.今後も引き続きロボットグランプリを開催出来るように努力し,政府が開催を予定している2001年のロボリンピック(仮称)の成功につなげてゆきたいと考えている.

広瀬茂男
東京工業大学工学部
機械宇宙学科


ロボメカトピックス

核融合炉用遠隔操作ロボットの開発

 21世紀のエネルギー源として核融合が挙げられ,そのが実用化に向けた計画(国際熱核融合実験炉 略称ITER)が日,米,欧,露の国際協力の下に進められている.ITERの炉心は核反応時に発生する中性子により放射化するため,ブランケットやダイバータ等の炉心を構成する構造体の保守時には,遠隔操作による作業が必要となり,核融合を実現するためには,この遠隔操作技術の確立が重要な鍵となる.遠隔操作技術開発における主要課題は,高いガンマ線環境下で,重量物を精度良く迅速に取り扱う遠隔保守ロボットの開発,冷却配管等の溶接・切断・検査等を行う配管内走行ロボットの開発であり,従来の技術をはるかに越える高度な技術が要求される.これらの開発は国際協力で進められているが,遠隔操作の分野では日本の貢献が大きく期待されている.以下では,日本が分担し,日本原子力研究所が中心となって進めている開発について概要を述べる(図1).

(1)重量物交換用遠隔操作ロボットの開発
 ブランケットは遠隔操作により1個当たり約4トンのモジュールを数mm以内の設置精度で交換保守することが要求されている.大重量の構造体を高精度で交換保守するために,「ビークル型保守システム」を開発した.本システムは,保守時にビークルが走行できる軌道を自動で炉内に敷設し,ビークルに搭載されたマニピュレータによりモジュールを交換・搬送するものである.軌道が敷設後90度毎に設置された保守ポートから支持されることから,重量物を安定に精度良く取り扱うことができる.その他,1個当たり25トンのダイバータを交換保守する台車型遠隔操作ロボットも現在開発中であり,フォークとジャッキを用いて,大重量のカセットを狭い許容空間内で周方向に安定に移動し,数mm以内の設置精度で交換保守することが可能となる.

(2)曲がり配管用溶接・切断・検査ロボットの開発
 ブランケットやダイバータの保守時には,冷却配管の溶接・切断・検査が必要となる.溶接及び切断が共に可能となる光ファイバー伝送のYAGレーザを用いて,曲がり部を有する冷却配管の母管(100mm)内を自走しながら母管自体及び枝管(50mm)の溶接,切断及び検査を行うロボットも開発を進めている.

 その他,炉内の観察を行うペリスコープ(潜望鏡)等の光学機器の開発を含めて,遠隔操作機器に使用されるモーターやセンサー類等の耐放射線性機器の開発も並行して進めている(100MGy の集積寿命を目標).

図1 遠隔操作ロボット開発の概要

柴沼 清
日本原子力研究所 東海研究所
核融合工学部 炉構造研究室
〒319-1195 茨城県那珂郡東海村白方白根2-4


広域災害での被災者情報支援システムInfoBalloonの開発

ロボティクス・メカトロニクス部門と レスキュー機器研究開発

 1995年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災は6400名余の尊い命を奪い,自然の力の恐ろしさを見せつけるとともに,技術に立脚した現代社会の持つ脆弱さも露わにした.機械工学に携わる者にとっても,建物,道路,鉄道などの構造物の倒壊とともに,ほとんどが人手に頼らざるを得ない人命救援の実態に無力さを痛感させられた.

 震災の年の11月,ロボティクス・メカトロニクス部門に「救助ロボット機器の研究開発に資することを目的とした阪神淡路大震災における人命救助の実態調査研究会」が神戸大学の高森年教授を中心に組織され,約1年にわたり,救助活動の実態調査とそれに基づくレスキュー・ロボット機器に対する要求事項の検討を行った.この成果を引き継ぐ形で,「RC-150: 大規模災害救助ロボットシステムの開発研究分科会」が組織され,平成9年度から2年にわたり,レスキュー機器の研究開発が以下のテーマで行われた.

・災害救助ロボットのために動画像処理技術の調査研究 (奈良先端科学技術大学院大学 小笠原司)
・自走式2腕型対人パワーアシストシステムの開発 (電気通信大学 山藤和男)
・InfoBalloon:広域災害のための情報発信ロボットシステムの開発 (大阪大学 小野里雅彦)
・創造性教育を通したレスキュー技術発展の可能性 (大阪大学  宮崎文夫)
・平常時に建設機械として利用する操縦型救助作業機械 (大阪大学 升谷保博)
・瓦礫の凸凹の影響を受けない拘束救出搬送システム (広島大学 金子真)
・拡幅機能を備えた自動・手動両用救助用ロボットハンドの開発 (東海大学 増田良介)
・作業移動型ロボットの復旧作業への適用 (大阪大学 新井健生)
・被救助者探索用ガレキ内移動システムの開発 (神戸大学 高森年)
・可搬型がれき搬出システム(神戸大学 田所諭)
・汎用援助ロボットCUL(京都大学 大須賀公一)

これらの研究成果は本年1月に行われた第4回ロボメカ・シンポジアで報告された.各テーマごとの成果は講演論文集を参照していただくこととして,著者らが大阪大学において開発を進めているInfoBalloonについて以下に紹介させていただく.

広域災害における被災者情報支援システムInfoBalloon

 阪神・淡路大震災の教訓の一つとして,マスコミ等による情報が盛んに収集された一方で,被災者自身は災害情報から疎外されていたという問題がある.この問題に対して,著者らは被災者の周辺に関わる情報を受発信できる「現代版火の見櫓」として,繋留型の気球に各種の情報機器を搭載したInfoBalloonの開発を行っている.InfoBalloonの概要は以下の通りである(図1参照).

図1 InfoBalloonの概要

1) 避難所や地域の中核施設の建物屋上に,地上100~150mの高さに繋留し,地上,空中からの目印とする[位置提示].
2) 地域の危険度(例えば立ち入り禁止)などをシグナルラ イトや音声などにより直接的かつ継続的に提示する[危険提示].
3) 空中から撮影した周辺状況の映像と各種の文字情報をTV波などにより周囲に配信する[映像配信].
4) 地域への伝達事項を音声合成によるスピーカ放送およびラジオ波により周囲に伝達する[音声配信].
5) 生き埋めになった人などからの救援要請信号を受信し,その位置を探し出す[救助要請受信]
6) 消防無線などの業務用無線等の中継基地として,電波障害環境での通信を支援する[情報中継].

 こうした機能を実現するために,現在,気球部および情報機器を搭載する機械部の試作を行い,評価を進めている.試作機の気球部は直径3.5m,高さ2mの扁平な回転楕円体で,容積は約14立方m.強度とガスバリアー性を持たせるため,ナイロンとポリエチレンエバールの2層構造を持つ.また,機械部にはノートパソコン,CCDカメラ,シグナルライト,スピーカ,無線LAN,ビデオトランスミッタなど,約5kgの機器を搭載している(写真1).試作機での評価に基づいて,平成11年度には実用化を目指した評価機を製作し,屋外実験などを通じて,広域災害における被災者情報支援の可能性を探っていく予定である.なお,InfoBalloonの開発状況については,WWWの以下のURLで随時公開している.

http://www-cape.ccm.eng.osaka-u.ac.jp/infoballoon.html

写真1 InfoBalloon試作機

小野里雅彦
大阪大学大学院工学研究科


ロボティクス・メカトロニクス部門 テクノマートの推進

1.企業の状況

 本学会ロボティクス・メカトロニクス部門のテクノマートは,民間企業に対し学官のシーズ技術を移転したり共同研究を支援するものである.

 企業がメカトロニクス分野に抱える課題は多く,本学会に期待するメカトロニクス,例えば機械の知能化などへの期待は大きい.ロボティクス・メカトロニクス部門が1996年度に実施した企業アンケート(資料1)では,企業からシステム技術・要素技術のシーズ情報の提供や共同開発などが強く望まれている.未利用特許情報実態調査(資料2)においても,全国中小企業3千社のうち,ノウハウや技術指導が必要とする企業は4割に達し,技術導入を交渉した企業は,系列外企業の情報によって交渉し(30%),主力新商品にしたいため検討したが(53%),最も必要なのは技術を探し出してくれるシステムの整備である(48%)としている.

2.テクノマートの活動

 これらから,長期的展望に立って産学官の研究戦略を考える必要性が生じ,ロボティクス・メカトロニクス部門は1997年6月にテクノマート・産学官連携WGを設置し,ニーズ・シーズの出会いの場を提供し,大学と社会のかかわりを深め,産学官連携を促進するため努力していくことになった.

 初回テクノマートは,部門講演会ロボメック98(1998年6月,仙台)の会場で,ポスター講演31件,研究見本市を行い,新技術64件を収録した冊子「ビジネスになるロボット・メカトロニクス技術シーズ集(1998年)」を2千部発行し,参加者に配布し,官庁,中小企業へは持参と郵送により宣伝した.今回の主題は,企業開発担当者が気軽に大学へ来て,気楽なディスカッションをしてほしいということであった.ご協力いただいた講演者・執筆者に感謝する.

3.各方面からの意見

 企業からは継続的な出版を望む,大学のだれに相談すればよいか教えてくれる窓口がほしい,応用分野を視野に入れたシーズ集にしてほしい,内容は新聞のように一目でわかるようにしてほしいなどの注文があった.1998年1月に「大学における技術に関する研究成果の民間企業等への移転の促進」に関する法律が施行され,本冊子の出版はタイムリーで中央省庁の方に歓迎された.講演会に参加した研究者の意見は大いに意義を感じるなどから,趣旨がわからない,内容が寂しいまで,いろいろご批判をいただいた.

 ここにテクノマートは,メカニズムなどの要素技術について,足が地に着いたもので本当に産業に実用される技術を発掘することを目指している.近年は大学の研究と企業とが乖離してきているという指摘があったが,その反省に立ちテクノマートは両者の接着のために尽力するところに意義がある.

4.今後の方向

 テクノマートは地道に全国に根を張る活動を続けるため,ロボメック99(1999年6月,東工大)でもセッションを組むこととした.本年は以下の2点を試みる.

(1) 地域に根付いた活動を目指し,東京地区(電通大),神奈川地区(神奈川工大,リコー),北陸・信越地区(信州大),京阪神地区(神戸大)にオーガナイザをお願いした.次回はさらに追加したいと考えている.
(2)企業の主力製品を発表してもらい,互いにディスカッションし合う.
 テクノマートは全国的な拠点で研究者・企業が息の長い地道な交流によって実るものと思う.学会においても同様で,時間をかけて研究者・企業との対話を広げていきたいのでご協力をお願いしたい.

(資料1)ロボティクス・メカトロニクス部門   ニュースレター,No.21,1997年6月
(資料2)未利用特許情報実態調査報告書   (財)日本テクノマート,1997年3月

西原主計
テクノマート・産学官連携WG
神奈川工大


地域発トピックス

第1地区発トピックス

 ロボメカ部門第1地区は北海道という地域性を生かした活動を展開している.北海道の主幹産業が農水産業であることに着目し,昨年度と今年度は特に農業分野におけるロボティクス・メカトロ二クスを主題としたセミナー・講演会を精力的に実施してきた.今年度は「屋外環境下のロボットにみるナビゲーション技術」と題した移動ロボット関連のセミナー1回,「大規模農業に必要なメカトロニクスとその周辺 ―日米欧にみる精密農法の技術動向―」,「農業用ロボットを支えるセンサ技術」と題したセンサ・メカトロニクス関連のセミナー・フォーラムを2回開催した.セミナーについては,すべて80〜100名程度の参加が得られ盛会であった.これは,北海道は農業が基幹産業であるにもかかわらず,就業者の老齢化,後継者難が極めて深刻な状況にあり,行政,企業の関係者が農業分野への先端技術の導入に強い関心を寄せていることに他ならない.また,北海道農業は欧米の営農規模に匹敵することから,海外の技術動向を調査する目的で外国からの講演者を招いたことも,これらセミナーの特徴である.今年度は米国から2名,英国から1名の研究者を講師として招いた.さらに,札幌で開催されたロボット学会に合わせて部門見学会を1回主催し,全国から25名程度の方に参加していただき,農業分野のロボティクス・メカトロニクスの現状と課題を見て頂いた.新しい技術・産業を創出する過程では幅広い分野の研究者の参入と連携が必須である.ロボットやメカトロニクスを専門とする工学者,作物・土壌を研究対象とする農学者が農業ロボット,農業用メカトロ二クスといった同じ話題で議論できたことは,学際領域の開拓といった点で少なからず貢献できたのではないかと思っている.

 これら活動の基礎は1996年から3年間設置されている部門研究会「大規模農業機械のロボット化に関する調査研究会(主査:嘉数侑昇北大教授)」にあり,ここ3年間のすべての第1地区行事はこの部門研究会が中心になって企画・立案した.この一連の地区活動を通して産官学の研究基盤が形成され,平成10年度から通産省の地域コンソーシアムプロジェクト「大規模農業向け精密自律走行作業支援システム(研究代表者:嘉数北大教授)」がスタートするに至った.このプロジェクトには北海道大学工学研究科,農学研究科,道立工業試験場,道立農業試験場,地域の機械・ソフトメーカなどが参画し,ロボメカ部門の会員が重要な役割を担っている.部門の地域活動が求心力となって,研究プロジェクトを立ち上げることができた好例と見ている.

 いずれにしても,北海道というローカリティの富んだ地域では地区活動が技術開発の活性化に重要な意味をもつ.今後もさらに新しい地区活動が模索されるであろうが,第1地区(北海道)らしいなにかが活動の中核にあることを志向してゆきたい.

野口 伸(北海道大学)
第76期第1地区技術委員長

第3地区発トピックス

 69,110および97,この数値は北陸信越支部所属のロボメカ部門第1〜第3順位登録の会員数である(昨年末現在,本部事務局会員課による).当委員会は北陸信越支部のこれら合計276名の会員諸氏を直接の基盤とする地区委員会である.同様の悩みを持つ支部も他にあると思うが,これらの方々が支部内に分散し,人的密度が低いことや交通の不便さ等の事情が支部内の密接な連携の障害となる側面がある.

 98年度は長野県が当技術委の運営を引き受けることになった.過去の事情や予算規模を考えて,行事計画を年間3件と決め,特別講演会または見学会を行うこととし,委員長所在の長野県で2件,もう1件を北陸地区にお願いした.筆者ら運営を担当する者がロボティクス関係者ではないことと,他学会等との協力によって参加者の幅を広げる狙いから,より広くメカトロニクスや教育・心理をテーマとする以下の通りの催しが計画,実施された.

1.特別講演会 (共催,精密工学会北陸信越支部)
  開催日時 1998年10月8日(木)
  会 場  信州大学地域共同研究センター(長野市)
  題 目  精密位置決め系のダイナミクスと制御
  講 師  東京工業大学教授 下河辺 明先生

2.見学講演会 (共催,インテリジェントロボ・メカ研究会)
  開催日時 1998年10月27日(火)
  会場 山洋電気(株)テクノロジーセンター(上田市)
  見学 同社施設・設備と製品
  講演
   ・ ネットワークコントローラ S-MAC
      同社主任技師 原田豊士氏
   ・リニアサーボ(シリンダタイプ)
      同社主任技師 鈴木信二氏
   ・アクチュエータシステムの新しいコンセプト
      神戸大学教授 高森 年先生 

3.特別講演会 (SICE北陸支部主催, 当委員会協賛)
  開催日時 1998年12月7日(月)
  会 場  金沢大学工学部秀峯会館(金沢市)
  テーマ  教育研究における発想と創造
   ・日本人と創造性
      千葉大学名誉教授 多湖 輝先生
   ・発想と創造
      早稲田大学教授  土屋喜一先生

斯界の権威者に講師をお願いでき,参加者も学生を含めて,1と2の場合にはともに50〜60名,3では250名以上と,盛会の内に企画行事を終えることができた.

賀勢晋司(信州大学)
第76期第3地区技術委員長

第4地区発トピックス

 昨年度の活動を踏襲する形で,4回の「知能ロボットシステム講演会」を計測自動制御学会中部支部と共催した.加えて,「感性/インテリジェントシステム」シンポジウムを計測自動制御学会中部支部,中部科学技術センター「感性・情緒型ロボット研究会」と共催した.内容の詳細は以下の通りである.いずれの行事においても,講師の先生方からは興味深いご講演を戴き,また貴重な見学の機会を得ることができた.

・知能ロボットシステム講演会
 第1回(H10.4.23開催 参加者46名)
  1)複数の視点を有する遠隔操作システム
    丹羽義典(岐阜県工業技術センター)
  2)最新のロボットによるバリ取り加工
    小山 正 (豊田工機(株))
  3)見学:豊田工機(株)東刈谷工場
    (ロボット,電子制御機器等の製造ライン)

 第2回(H10.7.22開催 参加者55名)
  1)非ホロノミック研究の最近の動向
    成清辰生(豊田工業大学)
  2)産業用ロボットの力制御とその周辺
    島田 明(セイコー精機(株))
  3)見学:豊田工業大学 制御システム研究室,
    電子制御研究室,知能システム研究室

 第3回(H10.10.20開催 参加者52名)
  1)移動ロボットの動力学的制御
    谷 和男(岐阜大学)
  2)メータ文字盤外観検査システムの開発
    加藤敏夫((株)デンソー)
  3)見学:(株)デンソー 高棚製作所
    ( 自動車用メータ生産ライン)

 第4回(H11.1.28開催)
  1)大型鋳鋼品の自動研削装置の開発
    松井信行(大同特殊鋼(株))
  2)光ディスク発展の経緯と最近の開発動向
    井上茂樹(大同工業大学)
  3)見学:大同特殊鋼(株)技術開発研究所

・「感性/インテリジェントシステム」シンポジウム
  (H11.1.10開催 「ルブラ王山」)
 1)「意識はどこからくるか」  妹尾允史(三重大学)
 2)「動物の学習行動のモデル論」石井澄(名古屋大学)
 3)「建築デザインの将来展望」 谷口元(名古屋大学)
 4)「Future of Robotics」T.J. Tarn(Washington大学)
 5)「World of Sense and Intelligence」
   L.Vlacic(Griffith大学)

早川義一(名古屋大学)
第76期第4地区技術委員長

第5地区発トピックス

 本年度第5地区技術委員会では,他学会との連携を図りながら主に以下の2つの活動を行った.

1.レスキューシステム工学研究交流会 第1回委員会
  日時:11月12日(木)
  場所:梅田スカイビル会議室

 本研究会はシステム制御情報学会の助成を受けて発足した研究交流会である.若手を中心にした研究交流会の活動を通じて,学会のさらなる活性化を図ろうというのがねらいである.本研究交流会では先の阪神淡路大震災においてレスキュー体制の不備が大きく露呈したことを反省し,レスキューロボット,レスキューメカトロ機器を含む「レスキューシステム工学」の可能性を探っていくことを目的としている.

 第1回委員会は,委員のメンバーによるクローズドなものであったが,第5地区技術員長,幹事も参加し,今後の講演会やシンポジウム等の企画によっては,第5地区技術委員会との共催とし,ロボ・メカ部門の会員にも広くご参加いただいて「レスキューシステム工学」について議論していただく場を設けていくこととなった.第5地区技術委員会が,この「レスキュー」の分野に関わって行くことは,非常に意義あることだと考えている.今後の企画にご期待いただきたい.

2.講習会「ロボット制御の実際 in Kansai」
  日時:12月3日(水)
  場所:(財)京都高度技術研究所(ASTEM)

 本講習会は,計測自動制御学会が主催し,企画は同学会のロボット工学部会が行ったものである.7月に川崎で開催され非常に好評であったため,関西地区に場所を移しての再度の開催となった.今回は第5地区技術委員会が協賛という形で参画し,ロボティクス・メカトロニクス部門の会員にも広く参加を呼びかけた.

 参加人数は50名(学生35名,一般15名)と大盛況で椅子が足らなくなるほどであった.講師は田所氏(神戸大),大須賀氏(京大),松日楽氏(東芝),北垣氏(電総研)の4名で,それに加えてロボットの実演のために大明氏(東芝)に参加いただいた.本講習会は,計測自動制御学会ロボット工学部会が開発したSICE標準DD-アームを中心にして書かれた教科書を用いてロボット制御の基礎を解説するものであるが,大きな特徴として会場にDD-アームを実際に持ち込み,実演を交えながらの講習を行う点があげられる.これによって受講者はより具体的に講義内容が理解できるわけである.今回の参加者は学生が多く,また機械学会のメーリングリストをみて参加した受講生も見うけられた.各講義に対する質問も活発で非常に活気のある講習会であった.

 第5地区技術委員会では,今後とも他学会の活動とも連携を図りながら,地区の特色を生かした活動を行ってゆく所存である.

横小路泰義(京都大学)
第76期第5地区技術委員長

第6地区発トピックス

 第6技術委員会(中国・四国地区)では,今年度は,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門所属研究会「インテリジェント制御技術研究会」や精密工学会「メカトロニクス専門委員会」との共催企画で,計2回の講演会,見学会を実施した.

1.第6地区講演会
  日時:平成10年10月30日
  場所:岡山大学大学院自然科学研究科

 まず,岡山大学工学部システム工学科 高岩昌弘氏に「空気式パラレルマニピュレータを用いたハプティックインターフェースの開発」について,ご講演いただいた.本講演では,空気圧シリンダをアクチュエータとするパラレルマニピュレータを用いた人とロボット間のインターフェースに関して,マニピュレータを人が触ることにより種々の情報を伝達する「接触による情報伝達」を実現するため,マニピュレータ自体の弾性特性を利用し,力センサレスで接触力の大きさや接触点の位置を推定する方法についてご紹介していただいた.

 次に,岡山大学工学部システム工学科教授 井上昭氏に,「スライディングモード制御則の倒立振子制御への応用」と題して,不安定系の典型で非線形特性も強く,制御系設計の上でも多くの挑戦課題を与える2重振子に対して,振り上げ制御をスライディングモード制御則により実現する方法をご講演いただきいた.

 引き続き,岡山大学工学部システム工学科の則次研究室と井上研究室を見学した.

2.第6地区見学会
  日時:平成10年11月25日,26日
  場所:(株)フジキカイ(名古屋市)包装機メーカ
     (株)ノリタケカンパニーリミテド(名古屋市)食器メーカ

 (株)フジキカイでは,まず,会社概要のご紹介,工場,ショールームを見学させていただき,横型および縦型ピロー包装機について,各種センサ,アクチュエータ,および制御器の仕組み等を説明いただいた.次に制御システム部畑野真人氏,鈴木重基氏の両氏より「包装機械と制御」と題して,1964年の初生産機から最新のマイコン制御機に至るまで,包装機械の電子制御化技術の変遷,エキスパートシステムによる包装機械の故障診断機能についてご講演いただいた.

 (株)ノリタケカンパニーリミテドでは,技術本部副本部長取締役 酒井安昭氏より事業内容をご説明いただいた後,磁器製造工程内の生地作成,絵付け,焼き入れ工程等の見学,研削ホイール内にセンサを埋め込んで研削動力をリアルタイムで検出できるインテリジェントホイール,超音波振動を付加した研削ドリル等を見学した.次に,油剤廃棄の環境への影響に対する配慮から冷風研削のニーズが高まりつつある現在,小林博人氏より,「冷風研削の研究」と題して,冷風研削の実用化とそのソフト技術の構築に関するご講演をいただいた.

橋本雅文(広島大学)
第76期第6地区技術委員長


部門表彰委員会報告

表彰委員会 委員長 中村仁彦

 日本機械学会ロボメカ部門表彰委員会は平成11年度部門賞各賞ならびに部門一般表彰の選考を厳正かつ公正に行ない,金子真部門長に報告した.選考結果は平成11年1月22日の部門運営委員会で審議され,承認,決定された.各賞の受賞者は以下の通りである.

<功績賞>2名

 嘉数侑昇(北海道大学)
【贈賞理由】強化学習,ソフトコンピューティングによる機械知能の実現に関する先駆的研究,リーダーシップと日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門および数多くの国内会議,国際会議におけるこの部門の研究領域の活性化に大きく貢献した.

 白井良明(大阪大学)
【贈賞理由】コンピュータビジョンに関する先駆的研究とその3次元物体認識への展開のリーダーシップを通して国際的にこの分野の発展に寄与するとともに,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門および数多くの国内会議,国際会議における研究領域の活性化に大きく貢献した.

<学術業績賞>3名

 生田幸士(名古屋大学)
【贈賞理由】マイクロ光造形法による3次元マイクロ加工技術の確立と,それを展開した化学ICの基盤技術の研究によって,MEMS研究分野において独創的なブレークスルーを成し,明確な応用分野への視野を開いた.

 小菅一弘(東北大学)
【贈賞理由】複数のロボットの協調制御,ネットワーク遠隔制御における安定性を中心にした制御理論の確立とその応用研究において,著しい業績を残した.

 石川正俊(東京大学)
【贈賞理由】超並列・超高速ビジョンシステムの研究開発により,実用性の高いワンチップビジョンシステムを実現するとともに,ハンド・アイ・システムへのインテグレーションにより知覚情報処理におけるブレークスルーを成し,応用への視野を開いた.

<技術業績賞> (該当者なし)

<ROBOMECH表彰>4件

 荒井裕彦,谷江和雄(MEL),城間直司(筑波大)
【表彰理由】「非駆動関節を有するマニピュレータの時間軸伸縮による制御」(ロボメカ講演会98)は理論的に関心を集めている2階の非ホロノミック系の制御の問題に明確で,実用的な1つの解を与えた.

 刑部尚樹,黒澤実,樋口俊郎(東京大学)
【表彰理由】「シリコンスライダを用いた弾性表面波リニアモータ」(ロボメカ講演会98)は高速高精度化可能なニューアクチュエータについての著者らの従来の研究を発展させ,実用的な超音波リニアモータの設計法とその性能を実験的に明らかにした.

 山田陽滋,平澤康宏,酒井隆之,大東治宜,鴻巣仁司,
 梅谷陽二
(豊田工大),津坂祐司(豊田中研)
【表彰理由】「安全と意図に基づく人間/ロボットの協調作業」(ロボメカ講演会98)は人間とロボットが共存する環境における技術課題に独創的なアプローチ行い,人間の心理的安全と意図を尊重した協調作業の設計法を具体的に示した.

 三木則尚,下山勲(東京大学)
【表彰理由】「マイクロ飛行ロボットの研究」(ロボメカ講演会98)はヘルムホルツコイルの交流磁場の中で飛行する翼長1cmのマイクロ・ロボットを試作し,飛行実験に成功したものであり,著者らの一連の研究のマイルストーンとなる成果である.

<部門貢献表彰>3名

 中野栄二(東北大学)
【表彰理由】ロボティクス・メカトロニクス講演会98の実行委員長として尽力し,部門に貢献した.

 則次俊郎(岡山大学)
【表彰理由】3rd Int. Conf. on Advanced Mechatronics のGeneral Chair として尽力し,部門に貢献した.

 浅田稔(大阪大学)
【表彰理由】第3回ロボメカシンポジアの実行委員長として尽力し,部門に貢献した.

 これらの各賞の贈賞,表彰は日本機械学会ロボメカ講演会99(東京工業大学:平成11年5月12ー13日)で行われる予定である.なお,選考は日本機械学会部門賞通則,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門賞規定(平成10年11月1日改正),日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門一般表彰規定(平成10年11月1日制定)に従って行われた.規定により委員長には副部門長が就任したが,推薦候補論文の中に共著論文が含まれたため辞退し,交代したものである.表彰委員会委員は以下の諸氏であった.限られた時間の中で的確な評価と判断をしていただいた,この場を借りて厚く御礼を申し上げる.

【表彰委員会委員名簿】
中村仁彦(委員長:東京大),前川仁(幹事:MEL),江村超(東北大),久慈俊夫(都産技研),相山康道(東京大),荒井和彦(オリンパス),植山剛(デンソー),大石潔(長岡技科大),岡田徳次(新潟大),大日方五郎(秋田大),金子真(広島大),河村篤男(横浜国大),鈴森康一(東芝),高西淳夫(早稲田大),谷知之(日立製作所),土谷武士(北海道大),中垣博文(九州電力),橋本稔(鹿児島大),秦清治(香川大),原田孝(神戸製鋼),深瀬勇太郎(清水建設),馬書根(茨城大), 武藤伸洋(NTT),村上弘記(石播重工),森俊二(富士電機),吉田孝一(川崎重工)


お知らせ

運動分析システム比較検討会

−リハビリテーション,スポーツなどの運動分析から コンピュータグラフィックまで−

 最新の身体運動分析システムが一同に集められ,比較しながら各システムのデモ,実計測が見学できます.参加者の希望にもとづいて体験計測も可能です.また,各システムの精度検定,処理時間検定も行います.非会員の参加も自由です.参加費1,000円.

主催:臨床歩行分析研究会
会場:神奈川県総合リハビリテーションセンター
期日:1999年7月3日(土)4日(日)2日間
3D Dynamic Degree Sensor, 6D-MotionMonitor, Elite, InterSense, Locus, Motion Analysis HiRES System, Peak, Qualisys, Vicon など世界主要身体運動分析装置の実演と性能検定

運動分析システム比較検討会事務局 江原義弘
FAX: 0462-49-2598
E-mail:
NAH04120@nifty.ne.jp
URL: http://www.aist.go.jp/NIBH/ourpages/comparison99/comp99.html


広報委員会からのご案内

部門ホームページ

 現在ロボメカ部門では日本機械学会に設置されたサーバ上で部門のホームページを作成しています.ロボメカ関連の講演会・研究会などのご案内を中心に各種情報の提供を行っています.是非一度ご覧ください.このページは部門からの情報提供だけでなく,会員の皆さまの情報発信のページでもあります.ホームページに載せるべき情報をお持ちの方は,お気軽にお知らせください.皆さまのお力添えによって,部門ホームページの質・量ともに高めてまいりますのでよろしくお願いいたします.

 部門ホームページのURL http://www.jsme.or.jp/rmd/

 連絡先のメールアドレス

メーリングリスト(ML)

(1) MLとは何か
 ML用のアドレスに参加者のE-Mailアドレスを登録することにより,同じ電子メールの内容を参加者全員に送信する仕組みです.
(2) 特定グループのML
 部門の中のグループ等で必要な方に学会のサーバを利用したMLを設定することができます.部門の中の委員会,研究グループ,支部などの活動にお役立てください.詳しいことは上記メールアドレスまでお問い合わせください.

ロボメカ部門メーリングリストのご案内

 ロボメカ部門では部門メーリングリストを試験運用しております.このメーリングリストはメンバー相互の自由な意見・情報交換の場として,また,部門からの迅速な情報提供などに利用されることを考えております.最近は特に学会等の Call For Paper などが中心になっています.参加されますとMLに投稿された情報を受け取ることができるとともに,ML宛に情報を発信することができます.

 まだ参加していない方,是非ご参加ください.部門に未登録の方でも参加していただけます.

(1) 参加の仕方など
 
robomech-control@kappa.shinshu-u.ac.jp に append という Subject のメールを送ることで自動的に登録されます.本文には自己紹介,研究内容等を記入して下さい.プロフィールとして登録されてML参加メンバーに公開されます.メーリングリストから離脱したり,一時的にストップすることもできます.

(2) ヘルプの取得
 robomech-control@kappa.shinshu-u.ac.jp に help という Subject のメールを送るとMLのヘルプファイルが送られてきます.コマンドの使い方などの詳細はこのファイルを参照下さい.

(3) 使い方
 メーリングリストに登録後, robomech@kappa.shinshu-u. ac.jp に電子メールを送ると自動的にメンバー全員に送信されます.

(4) 問い合わせ先
 お問い合わせ,MLに対する要望・ご意見などは, robomech-request@kappa.shinshu-u.ac.jp までメールでお願いいたします.

河村 隆
第77期広報委員長
信州大学繊維学部機能機械学科
〒386 長野県上田市常田3-15-1

部門登録のお願い

ロボティクスメカトロニクス部門を 1位,2位にご登録ください

 機械学会会員のみなさんはご存じのように,日本機械学会では部門制をとっております.現在20の部門があり,会員はそのうちの3つまでを登録することにより,その部門に所属することができます.

 もしあなたが,次のどれか一項にあてはまれば,すぐにロボティクスメカトロニクス部門に登録してください.

 ロボットに興味がある
 メカトロニクスに興味がある
 活気のある講演会に参加してみたい
 ロボティクスメカトロニクス部門の情報が欲しい
 ロボティクスメカトロニクス関連の見学会に参加したい

登録する場合,ロボティクスメカトロニクス部門を第1位あるいは第2位に登録するようお願いいたします.

ロゴマーク

 ロボティクスメカトロニクス部門のロゴマークが,制定されました.Robotics and Mechatronics Division の頭文字RMD からのデザインです.ホームページを始め,様々な場所で使われますので,お見知りおきください.

平井慎一
第76期広報委員長
立命館大学ロボティクス学科


10年を振り返って

 機械学会に部門制がスタートしたとき,ロボメカ部門はそれまでの既設の委員会を引き継ぐ形ではなく,全くゼロからの出発であった.初代部門長の谷江氏(現機械技術研究所ロボット工学部長)が技術委員長,総務委員長,広報委員長の激務を一人で孤軍奮闘されているのを横目で見ていたのが,つい昨日のように思える.ここ10年間で部門内の分業化が大幅に進み,部門運営も軌道に乗ってきた.特に,部門主催講演会の講演論文数,参加人数は20部門中のトップクラスにまで成長した.このような部門成長期にあって,今年は技術認証制度,他部門との合同企画,部門欧文誌問題等についてWGを組織して取り組んできた.このうち,欧文誌問題については,出版社,理事会との度重なる交渉の末,J. of Robotics and Mechatronics(富士技術出版社)を正式にTechnically Co-sponsored by Robotics and Mechatronics Division of Japan Society of Mechanical Engineersという形で発刊できることを承認していただいた.小さいながらも,なんとか足跡を残すことができたような気がする.

金子 真
第76期部門長
広島大学工学部


Copyright(C) 1999, 2000, 2001, 2002 日本機械学会ロボメカ部門

Last Update :  1999/4/10

掲示責任者   : 日本機械学会ロボメカ部門広報委員会