ロボメカ部門推薦 フェロー受賞者紹介

第80期部門長 藤江正克(早稲田大学)

 日本機械学会のフェロー制度も三年目になり2002年度の受賞者の方々が決定致しました. 150名程度の受賞者が20程度の部門推薦ですから,本ロボットメカトロニクス部門から12名もの多数の方が受賞者されたことは, 候補者選定の任も仰せつかりました第80期部門長としては喜びに耐えません. 今回の候補者推薦に当たっては運営委員および歴代部門長の各位より多大のご支援を頂きながら学会からの推薦条件を勘案し, さらに企業会員を重点的に考慮して作業を進めさせて頂きました. その結果学会からの目安の候補者数を一桁上回ってしまいましたが, これまた運営委員の方々のご意見から学会への推薦となった次第です. そういう事から言えば12名でも未だ満足できる受賞者の数と言えませんが, 本部門構成会員のアクティビティの高さを評価された結果であることと思い, それを誇りに思います. 本部門のフェローに対する考え方は, 「功成り名を遂げた方」ではなく「部門活動中心にして学会を実際に牽引して来られた方」ですが 推薦の過程で残念ながら会員歴10年以上で断念せざるを得ない方が多く居られました. 未だ会員になって居られない若い会員の皆様は,これを機会に是非会員登録をお願い致します.
 最後に,授賞された12名の皆様,本当におめでとうございます.今後も益々部門活動への強力なご協力をお願い申し上げます.
(以下,順不同)
浅田 稔(大阪大学)
 1953年10月1日生.1982年大阪大学大学院基礎工研究科後期博士課程修了.同年,大阪大学基礎工学部助手. 1989年大阪大学工学部助教授.1995年同教授.1997年大阪大学大学院工学部研究科知能・機械創生工学専攻教授となり現在に至る. この間,1986年から1年間米国メリーランド大学客員研究員.知能ロボットの研究に従事. 1989年情報処理学会研究賞,1992年IEEE/RSJ IROS'92 Best Paper Award,1996年日本ロボット学会論文賞, 1999年日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門貢献表彰,2001年文部科学大臣賞,科学技術普及啓発功績者の表彰, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門賞,同部門学術業績賞受賞.博士(工学).ロボカップ国際委員会会長.
新井健生(大阪大学)
 1952年1月6日生.1977年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了.同年工業技術院機械技術研究所入所. 1992年同所ロボティクス部自律制御研究課長.1997年大阪大学大学院基礎工学研究科教授となり現在に至る. この間,1986年より1年間,MIT客員研究員.千葉大学非常勤講師,東京理科大学客員教授を歴任. アームの機構と制御,パラレルメカニズム,マイクロロボティクス,作業移動型ロボット等の研究教育に従事. 1988年日本ロボット学会論文賞,1995年科学技術庁長官賞,2002年日本機械学会RMD学術業績賞を受賞. RMDダイナミックセンシング研究会主査,国際建設ロボット学会理事,内閣府遺棄化学兵器処理遠隔操作化検討チーム座長.
大西公平(慶應義塾大学)
 1952年7月25日生.1980年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了.同年,慶應義塾大学理工学部電気工学科助手. 1982年同専任講師.1988年同助教授.1996年システムデザイン工学科教授となり現在に至る. メカトロニクス,システム工学の研究に従事.電気学会論文賞,精密工学会賞,IEEE IES Outstanding Paper Award, ファナックFAロボット財団論文賞等を受賞.現在,電気学会産業応用部門副部門長,研究調査運営委員長, IEEE Industrial Electronics Society Vice President,Associate Editor of the IEEE Transactions on Industrial Electronics, Editor of the IEEE/ASME Transactionson on Mechatronics.また,日本ロボット学会理事,電気学会論文委員会主査, 電気学会産業応用部門誌編修委員長等を歴任.2001年 IEEE Fellow.
大道武生(名城大学)
 1947年8月18日生.1972年九州大学大学院工研究科修士課程修了(1998年同大学院博士課程修了).同年,三菱重工業株式会社入社. 1988年同社高砂研究所機器・自動化研究室室長,同研究所主幹研究員を経て,2001年名城大学理工学部教授.現在に至る. この間,原子力ロボット,極限作業ロボットの開発に従事し,知能ロボットの実用化やロボット技術を応用した新製品開発に貢献した. その知見を生かしロボットの事業化支援として,ロボットのオープン化,社会変革支援ロボティクス, 環境メカトロニクス等の研究分野の必要性を提唱.1993年日本ロボット学会技術賞,1999年同学会実用化技術賞, 2000年日本機械学会ロボット・メカトロニクス部門技術業績賞,2002年発明協会発明奨励賞ほか受賞.
金子 真(広島大学)
 1954年1月18日生.1976年3月九州工業大学機械工学科卒業.1981年3月東京大学工学系研究科博士課程卒業.工学博士. 同年4月,通産省工業技術院機械技術研究所入所.1990年4月,九州工業大学情報工学部助教授. 1993年10月,広島大学教授,現在に至る.1992年11月-1993年1月独ダルムシュタット工科大学客員教授, 多指ロボットハンドによる把握戦略,アクティブセンシング,サイバーセンシング,ロボットの医療応用などの研究に興味を持つ. 1998年度日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門長.1983年日本機械学会奨励賞,1994年日本ロボット学会論文賞, 1996年計測自動制御学会論文賞,1997年フンボルト賞,2000年 IEEE ICRA The Best Manipulation Paper Award, 2000年日本機械学会ロボメカ部門功績賞,2001年 IEEE Int. Symp. on Assembly and Task Planning, The Outstanding Paper Award,2002年計測自動制御学会論文賞.
杉本浩一(香川大学)
 1947年5月30日生.1972年東京工業大学大学院修士課程機械工学専攻修了.同年,日立製作所入社,生産技術研究所勤務. 1979年から1年間米国フロリダ大学客員研究員.1998年4月香川大学工学部教授,現在に至る. 機械運動学,ロボット制御の研究,自動機,産業用ロボットの技術開発等に従事. 1983年日本機械学会奨励賞,1990年日本ロボット学会論文賞 を受賞.博士(工学). 2001年度ロボメック講演会実行委員長.
舘 ワ(東京大学)
 1946年1月1日生.1968年東京大学工学部計数工学科卒業.1973年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了.工学博士. 同年,東京大学工学部助手.1975年通商産業省機械技術研究所研究員,その後,バイオロボティクス課長, 東京大学先端科学技術研究センター教授などを経て,1994年東京大学工学部教授に就任. 現在,同大大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻教授.この間,1979年から1年間米国マサチューセッツ工科大学客員研究員. 盲導犬ロボット,テレイグジスタンス,アールキューブなどロボットとバーチャルリアリティの研究が専門. 日本ロボット学会論文賞,計測自動制御学会論文賞,同技術賞,情報処理学会論文賞,日本バーチャルリアリティ学会論文賞, IEEE/EMBS論文賞などのほか,科学技術庁長官注目発明,通商産業大臣賞,IMEKO特別勲功賞などを受賞. IMEKO(国際計測連合)TC17(ロボティクス)議長,文部省重点領域研究「人工現実感」領域代表者, CREST「テレイグジスタンス・コミュニケーションシステム」研究代表者,日本バーチャルリアリティ学会初代会長などを務める.
則次俊郎(岡山大学)
 1949年10月19日生.1974年岡山大学大学院工学研究科修士課程生産機械工学専攻修了.同年,津山工業高等専門学校機械工学科助手. 同講師,助教授を経て,1986年岡山大学工学部生産機械工学科(現 機械工学科)助教授.1991年同教授.1996年同システム工学科教授. 2002年岡山大学地域共同研究センター長併任,現在に至る.1982年工学博士(京都大学). この間,空気圧サーボの高機能化制御,機械システム制御,ソフトアクチュエータ,人間支援ロボットなどの研究開発に従事. 1987年,2001年日本油空圧学会学術論文賞,1999年日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門貢献表彰, 2000年IECON-2000 Conference Paper Award受賞.1998年第3回先端メカトロニクス国際会議(ICAM’98)実行委員長. 2001年〜2002年計測自動制御学会理事,2002年同学会先端融合部門部門長. 1999年より日本フルードパワーシステム学会理事・編集委員長.2002年日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門副部門長.
古荘純次(大阪大学)
 1947年3月22日生. 1975年大阪大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学.1976年大阪大学工学部助手. 1983年岐阜大学助教授. 1991年電気通信大学教授. 1996年大阪大学教授. 1998年大阪大学大学院工学研究科電子制御機械工学専攻教授となり現在に至る. この間,制御理論,プロセス制御,2足歩行・4足歩行ロボットの動歩行制御,ER流体・MR流体を用いた力覚提示システム, ロボティクス・メカトロニクス駆動系の機構と制御,リハビリ支援・介護支援システム,機能性流体を用いたメカトロニクス, 手術支援ロボット,インテリジェント義足・歩行支援等の研究に従事. 1996年日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門業績賞受賞, 2001年日本バーチャルリアリティ学会論文賞受賞.工学博士. 現在,NEDOプロジェクト「身体リハビリ支援システム」(平成11年度〜平成15年度)において上肢動作訓練支援システムを研究開発中.
三宅徳久(パラマウントベッド(株))
 1949年1月19日生.1974年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了.同年(株)日立製作所入社,日立研究所所属. 1979年同社機械研究所.1986年同主任研究員.1998年同第4部部長.2002年日立ビアメカニクス(株)副技師長. 同年パラマウントベッド(株)技術本部部長となり現在に至る. この間,1984年から1年間米国スタンフォード大学ロボティクス研究所客員研究員. 産業用ロボット,移動ロボット,メカトロニクス機器用コントローラ,アミューズメントシステム,医療福祉システムの開発, 知能ロボットの研究等に従事.1984年日本機械学会研究奨励賞受賞.上智大学,千葉大学,日本工業大学,芝浦工業大学等の非常勤講師, 日本機械学会ロボティクスメカトロニクス部門技術委員長,日本ロボット学会理事等を歴任.
三輪敬之(早稲田大学)
 1947年9月26日生.1971年早稲田大学理工学部機械工学科卒業.1976年早稲田大学大学院理工学研究科博士課程修了. 同年,早稲田大学助手.1979年同専任講師.1981年同助教授.1986年同教授(理工学部機械工学科),現在に至る. 2000年より早稲田大学「食・農・環境問題研究所」所長を兼任.植物生命情報システム,共創における場の技術, メディアロボットなどの研究に従事.共著書に,「場と共創」(NTT出版),「生命機械工学」(裳華房)など. 1987年にメリクロンロボットの開発を行い,モエ・ヘネシ−最優秀科学賞(仏)を受賞.
和田充雄(北海道大学)
 1945年北海道生.1971年東京工業大学理工学部応用物理学科卒業. 同年,通商産業省(現経済産業省)工業技術院製品科学研究所研究職技官.1992年同研究所研究企画官. 1993年工業技術院生命工学工業技術研究所人間情報部長. 1995年北海道大学大学院工学研究科システム情報工学専攻教授となり現在に至る. 生体システム,人間工学ロボットなどの研究を経て,現在は複雑系工学及びこの観点からのロボティクス研究教育に従事. 工学博士.1993年本会ロボティクス・メカトロニクス部門長.1997年本会ロボティクス・メカトロニクス部門功績賞, 同部門ROBOMEC賞受賞.2002年計測自動制御学会フェロー.

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Last Update :  2003/05/13

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