報告
2009年度年次大会熱工学部門報告


2009年度年次大会熱工学部門委員長
丸田 薫(東北大学)


 日本機械学会2009年度年次大会が、9月14日-16日の三日間、岩手県盛岡市の岩手大学で開催されました。当部門では、年次大会熱工学部門委員会を組織し、オーガナイズドセッションなどの企画・運営にあたりました。(以下、委員氏名および所属・敬称略、石塚 勝(富山県立大)、小原 拓(東北大)、鹿園直毅(東京大)、鈴木雄二(東京大)、日向野三雄(秋田県立大)、山本 悟(東北大)、中村 寿(幹事・東北大)丸田 薫(東北大))

 熱工学部門のオーガナイズドセッションとしては、熱工学部門の単独企画としてS0601「食と熱工学」が、他部門との合同企画としてJ0101「エネルギーと環境問題におけるマルチフィジックスCFDシミュレーション」、J0103「電子情報機器,電子デバイスの強度・信頼性評価と熱制御」、J0801「次世代燃料と新しい燃焼技術,エンジン,動力システム」、J0601「燃料電池」、T0501「マイクロ・ナノスケールの熱流体現象」、T0502「マイクロ・ナノ領域におけるバイオ・熱流体融合学術創成」の6件が、流体工学部門、動力エネルギーシステム部門、エンジンシステム部門、材料力学部門、計算力学部門、バイオエンジニアリング部門、情報・知能・精密機械部門との合同で企画されました。

 唯一の熱工学部門単独企画となったS0601「食と熱工学」では2セッション10講演が行われました。合同企画J0101「エネルギーと環境問題におけるマルチフィジックスCFDシミュレーション」においては2セッション9講演、J0103「電子情報機器,電子デバイスの強度・信頼性評価と熱制御」では5セッション20講演、J0801「次世代燃料と新しい燃焼技術,エンジン,動力システム」では4セッション22講演、J0601「燃料電池」では3セッション14講演、T0501「マイクロ・ナノスケールの熱流体現象」では4セッション25講演、T0502「マイクロ・ナノ領域におけるバイオ・熱流体融合学術創成」では3セッション17講演と、合計23セッションにおいて117件と、非常に多数の講演が行われ、満員となる講演室もあるほどでした。また熱工学一般セッションでも伝熱、燃焼、輻射・熱物性およびプラズマ、各種熱現象に関するセッションが企画され、45 件の発表に対して活発な議論が行われました。その他、エンジンシステム部門との共同企画により、先端技術フォーラムF0701「光に着目した燃焼現象の計測法」が実施され、5件の講演がありました。

 伝熱シンポジウムや熱工学コンファレンスを始めとする熱工学関連学会の開催時期との関係もあり、年次大会への熱工学部門会員の参加減少が懸念されましたが、機械学会のすべての部門が一堂に会するという本大会の特徴や、最近の熱工学が新しい分野や他分野との複合領域への進出が目覚ましいことが幸いしてか、昨年度の横浜大会同様、企画されたいずれのセッションにも多数の方々の参加があり、熱のこもった実りある議論が展開されていたようです。

 昨年度の機械学会年次大会は、機械の日(8月7日)・機械週間(8月1日-7日)に近い日程を、と言う理由で8月に開催されましたが、今回は従来の慣例に近い9月の開催となりました。それでも機械学会会員が深く関係する他の学会との日程重複は避けられなかったようですが、結果として多くの参加者が得られたことはなによりでした。

 部門同好会は、小岩井農場において、昨年度と同じく熱工学部門、流体工学部門、材料力学部門、計算力学部門の4部門共同で開催されました。本年度の同好会は、総計で100名を大きく越える参加を得て盛大に執りおこなわれ、会員間の親睦・交流を深めるまたと無い良い機会となりました。

 本年度の年次大会の成功は、全国から参加された皆様、学会の企画運営にあたられた全ての部門の委員の方、また特に少人数で膨大な量の仕事をこなされた岩手大学の実行委員会委員の先生方によるものと考えます。この機会をお借りして、皆様に心より御礼申し上げたいと存じます。来年度以降の年次大会、また会員の皆様の発展を祈念しつつ、2009年度年次大会熱工学部門のご報告とさせていただきます。