報告
熱工学コンファレンス2009開催報告


実行委員会委員長  
加藤泰生(山口大学)


 熱工学部門の年間行事の中でも一大事業である,熱工学コンファレンス2009は,平成21年11月7日(土),8日(日) の二日間(実質2日目が半日なので1日半の会期)にわたり,山口大学の常盤台キャンパス,工学部講義棟で開催されました.最終集計では学術講演144件,参加登録者291名,懇親会参加者140名でした.前年度が流体部門と合同でKSMEとの国際ジョイントコンファレンスであったため純粋な国内学会は2年ぶりの開催でした。私にはその前の慶応大学(06)、京都大学(07)での盛会な開催状況が幾分記憶に残っていて、少々、気後れしていましたが、この間(ま)が空いたお蔭で幾分幸い致しました。実行委員の構成員もぎりぎりまでそろわず、少ないスタッフで如何に運営するかに心を砕きました。エネルギー系の先生方全員御支援は勿論のこと、他学科、県の技術センターの専門研究員などに依頼して講演室と受付その他ぎりぎりの配置で望みました。ほとんどの先生方が、本熱工学コンファレンスを御存じなく、長い準備期間があったにもかかわらず参加の皆様には御不便、御不満を与えたかもしれません。

 とりあえずは、本番の講演会、どこも立見も出る程盛況な講演室,講演発表があるなど,学術講演はかなり活況を呈していたようで,実行委員会としては胸をなでおろしました.

 特別講演会は、吉田松陰生誕150年ということで、各地のいろんなイベントでお忙しい著名な一坂太郎 氏(萩博物館特別学芸員)に”吉田松陰と晋作の志“と題して、幕末の松陰流教育論を滲ませながらの力のこもった1時間の講演を頂きました。あっという間でしたが会場から熱のこもった講演そのものへの大きな拍手を頂きました。

論文集表紙(錦帯橋(右上窓)) 写真  特別講演風景  一坂 太郎 氏



【いくつかの試み】
 1つは、この春から感性工学科に来られた小金井真先生が、空調システム関連の先生で、この際この分野も取り込んでみようと急遽、この分野をOS企画していただき、また講演者の参加の便を諮るため、学会に無理を言っていままでなかった建築学会などへ協賛依頼を追加でお願いしたことです。結果、セッション参加者には新しい概念で討論ができ、おおむね満足いただけたようです。協賛学会をあまり膨らませても実が挙がらない例が多いのですが今回はうまく行ったと自画自賛しています。

 2つは、休憩フロワーの開設と茶菓の提供です。会場が1棟内にあるとはいえ3階までの高さは問題です。やはりセッション間の休憩を有効に過ごしていただくために、1日目だけでしたが、2箇所(2階、3階フロワー)に分散して設置しました。そして、ここには、宇部観光コンベンション協会から(有償ですが)御当地の名産品(茶菓)を提供していただき堪能していただいたことです。お土産としてお持ちになられた先生もいるやに聞いています。当会の思惑どおりでした。

 3つは、会場費を抑えるために、工学部を共催にしたことです。工学部から断られる懸念もありましたので部門運営委員会には諮りませんでしたし、予算計上はしていましたが、工学部からOKがいただけたのでかなり助かりました。昨今、会場確保などにも苦労することから、土、日開催が普通になりつつありますし参考になればと思います。

 うれしい誤算を披露したいと思います。従来の講演会は実行委員会マターで会計処理されるかと思っていました。そのため講演数,参加登録者数がかなりの程度ないと財政的に大変厳しくなるのではないかとの懸念がありました。会期1日半は短すぎた、それも流体部門と重なるし、しまったとの思いがありました。そのため、事前参加登録数(講演会、懇親会)からして支出の大幅削減に悩みましたし、実際、講演会場における学生アルバイトを極力少なくしたりもしました。ご不便をお掛けしたことが少なくなかったのではと危惧致しました.しかし、ふたを開けますと当日受付が非常に多く、かつ懇親会の登録もしかりでこれには、うれしい誤算でした。事前のネームプレートが足らなくなるなど慌てましたが…

それから、受付および参加費に関するお金の管理に関して学会にすべて取り仕切っていただきました。こちらでは、入金の入り口に相当する口座開設の面倒くさい実務(幹事の先生有難うございました)程度でした。しかしただただ不便だったのは、一旦学会会計に入ると、取り戻すのが極めて面倒で理由書が必要でした。

まだまだ思惑以外の話もありますが駄文を長々と書いてもなんですので報告は終わりにします。

最後に、13名からなる実行委員のみなさま。それぞれに役割分担をお願いし,大変な労力を割いて準備をして頂きました.幹事の三上真人、望月信介教授をはじめ委員の方々にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます.また、学会職員の村山ゆかり様始め学会関係各位、さらには、かなり御心配をおかけしました前年度部門運営委員の皆様、前回開催の京都大学の吉田先生(今回の部門長でもありましたが)はじめ京都大学からは電子ファイルにて、おおくのノウハウを頂きました。その他関係各位の皆様方に感謝申し上げます。