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コンピューターと私

東北学院大学大学院工学研究科
機械工学専攻 1年 渡辺祥行

 計算をするのに、人はそろばんや電卓を用い、または暗算ですませることもある。我々が研究の計算結果をもとめるのであれば、パーソナルコンピューターを用いたほうが、効率ははるかに良い。このコンピューターであるが、私の研究室には、PC−9801VMという10年位前の機械のみがなんの拡張もしていないままおいてある。私の研究室は熱の研究室ということもあって、このPC−9801VMがあれば私の研究には事足りた。いや事足りたというよりは、それを使い切ることも出来なかったと思う。しかし、現在の世はCPUが486の時代でハードディスクなるものは必須アイテムらしい。私は自動車の運転免許を持っていない友人に「私が車の運転免許を持っていないのを普通では考えられないと君が思うように、私は君がハードディスクを使っていないのは信じられない。」と言われたことがある。今の世の中を考えると確かにそうであるらしい。しかし、我が研究室にも一大転機があり、PC−9801BAがハードディスクと共に導入された。このコンピューターなら他にひけを取らないはずである。だが、優秀なコンピューターも使い切らなければただの高い機械の箱にすぎず、これを使い切らなければいけないという使命感が芽生えた。コンピューターが導入されてからまずワープロソフト、表計算ソフトをハードディスクにインストールした。そしてすぐに初期化した。また、インストールをしては初期化し、これを三回繰返してしまった。しかしこのことは私にとって良い勉強になったと思うし、少しはコンピューターの基礎知識がついてきたと自負している。いままでは実験のデータを整理するのにBASIC言語を用いてきた。BASICさえ完全に理解し切っていない私が、現在C言語なるものを独学中で、自分の研究に生かせればと思っている。修士課程を無事終了できれば、「工学修士」という称号を持って社会に出るのであるから、世間はその称号に見合う能力を期待するし、要求してくるはずである。現在はコンピューター社会であるから、コンピューターを数多く利用し、自分のものにしたいと思っている。
 最後に、先に述べた私の研究内容について説明させてもらいたいと思う。題目は「不足膨張および過膨張を伴う空気衝突噴流の熱伝達」であります。噴流を出すのに出口が、円形の先細ノズルやラバルノズルを用い、ノズル出口圧や出口温等の様々な要素と熱伝達の関係を調べている。ノズルは出口で圧力が大気圧(背圧)と等しくなるよう設計するのが普通である。これはノズル出口圧が大気圧より高くあるいは低くなると空気は不足膨張あるいは過膨張をおこし、機械的な効率が悪くなるからである。しかし、あえてこの現象を利用し、熱伝達の促進に寄与できないかと研究を試みている。このように流体を用いているのであるが、今までは、流れ関数等は気にもせず、熱伝達のみを追い続けてきた。しかし流れを取り扱う以上、その流れを解析することは必要だと思うし、コンピューターをこれら解析に用いることができるまで、自分を高めていきたいと思う。


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