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全国学生研修会に参加して

八戸工業大学工学部
機械工学科2年 笹原哲也

 1993年8月4,5,6日の3日間実施された全国学生研修会は、北は北海道工業大学から南は鹿児島大学まで、学生や先生方が多く集まった。ほとんどが大学院生で、私は一人だけ最年少の学部2年生であった。皆からは「2年生なのによく来たね。」などと言われた。夜は交流会などで酒をかわしながら各大学や大学院の研究内容や実状、学生生活などを話したり、聞いたりした。先生と院生の会話では、専門用語が飛び交い、意味がわからなかったりしたが、皆が私にやさしく教えてくれて助かた。私にはちょっと難しかったが、それでも他の大学の学生と交流を持つことができて本当に良かった。
 そもそも、なぜ私がこの企画に参加をしたかというと、航空機に興味があり、全日空の機体工場を見学できるということを聞いたからである。はじめに機体工場を見学しました。ここは全日空の旅客機を分解して整備をし、組み立てる所である。私たちは始めに講義室に入り資料を渡され、旅客機の構造や仕組みをビデオや資料をもとに説明を受けた。その後機体工場に案内してもらった。この時は、大型機が2機入っていたが、ジェットエンジンもタービンブレード一枚一枚まで、完全に分解されていたが、実際にジェットエンジンに触れることもできて感動した。目の前でジェットエンジンの内部を見ると、ひじょうに複雑でした。
 次に整備中のジャンボ機の中にも入れてもらいコクピットを見ることもできたし、機体の前に付けてある気象用レーダも見ることができ、あらためて感心した。ただ、当然のことととはいえ羽田空港内にあるため、周囲の騒音が大きかった。次に乗務員訓練センターを見学したが、運航乗務員となるパイロットを訓練するところと、客室乗務員となるスチュワーデスを訓練するところに分かれていた。運航乗務員では、フライトシュミレータが機種ごとに設置されていた。実際に稼働中のフライトシュミレータや、その内部も見せてもらった。訓練生が勉強している最中、教室の中にも入れてもらいその内容をも見学することができた。操縦方法の教科書はすべて英語で書かれてあり、英語が苦手の私にとってパイロットヘの道のりが、なおいっそう険しく感じれた。次に客室乗務のほうは、新人のスチュワーデス(きれいなおねえさんたち)が、客室サービスの訓練を受けていた。特に印象に残ったのが、教官の一人が実際にわれわれの前で、緊急時の脱出の方法を見せてくれたことである。アラームが鳴ると教官が立ち上がり、「落ちついてください。」と言い、すばやく非常口のドアを開ける行程を見せて<れた。すごい緊迫感を感じて、見学者全員あっけにとられていた。このようなことは、あくまでも訓練だけで終わって欲しいと願わずにはいられなかった。
 ふだん何げなく乗っている旅客機だが、このような厳しい訓練を受けてき.た人々のおかげで安全に飛行しているんだなあと強く実感した。このような舞台裏を見学でき、また他大学の人たちとも交流でき、有意義な3日間であった。


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