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巻頭言

日本機械学会東北支部長
    須 藤 義 悦

 機械学会はあと数年で創立100周年を迎えようとしております。
 明治以来、先進的な西欧諸国に「追いつき追い越せ」を合い言葉とし、日本の機械に関する科学技術・産業を育てられた諸先輩と共に、機械学会も学問的に、また生産性・安全性に多大な貢献をされました。そのご努力に対し深く敬意を表するものです。東北支部も、科学技術の発展、また地域の産・学・官の「トータルオーガナイザー」としてその役割を十分に果たしてきております。
 さて、まもなく21世紀がやって参ります。21世紀展望については様々な場で論じられておりますが、東北の21世紀はどうでしょうか。
 今までは、「緑豊かな東北」、「歴史が息ずく東北」、などとロマンチックに語られることはありましたが、「高度に工業化された・・・」とか、「最先端の・・・」とはあまり聞くことがありませんでした。しかし今日では、教育、研究、生産、輸送、などの基盤整備が進み、「世界に貢献する東北」の態勢が整いつつあると言えるでしょう。
 20世紀後半の日本が得意としていた技術は、安価で良質なものを造ることです。21世紀には更に独創的な科学技術を生み出すことが求められております。また、一層進む国際化に対応し、国際共同研究・開発の推進も求められております。
 独創的な素晴らしい発明でも、発明以前は「不可能な事」と思われていたと言われております。現在の「不可能な事」を解決し、この「素晴らしい環境とロマンに満ち溢れた東北」の地から全'世界に向けて発信していただきたいと期待しております。
 若い日本機械学会学生員の皆さんに大いに期待致します。
 21世紀はすぐそこまで来ています。


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