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二専門履修コースに進学して

宮城工業高等専門学校
二専門履修コース1年  齋藤 雅應

 そもそも二専門履修コースとは5年間で専門工学を修得したのち、他の学科でさらに2年間、学ぶことができるというシステムなのです。我が宮城高専には、機械工学科、電気工学科、建築学科と材料工学科の4学科、これに去年から情報デザイン学科が加わり、5つの学科があります。二専門履修コースが3年前から設立、さらに将来、専攻科の設立を目指しており、学生の隻け入れに意欲的な学校でもあるのです。
 今年二専門履修コースヘ進学したものは13名。他校からの入学もできますが、例年、宮城高専内からの学生がほとんどで、今年も全員、本校の学生が編入しました。進学者数もこのところの就職難も手伝ってか、例年に比べてもかなり多いようです。二専門履修生は4年生へ編入し、各学科の3年生、または4年生とともに授業を受けています。期間は2年間。履修生は1年目に必修科目の大半を、2年目には卒業研究を中心にこなす必要があり、みな様々な思惑をもちながら、各学科で勉学に励んでいます。進学したといっても、これまでみんな5年間も過ごしてきた高専だけに、みんな気楽に学生生活をすごしているようです。
 二専門履修コースヘの進学者の理由には、5年間在籍してきた工学科とは別の工学分野への興味や関心を持ったから、就職希望していた企業からの募集が在籍していた工学科にこなかったから、なかには面白そうだったからなど、様々でした。
 進学してすでに半年たちましたが、二専門履修生は、みんな勉学にかなり苦労しているようです。その理由として、二専門履修コースは2年間と大学編入した場合と同じですが、大学編入は高専での5年間で得た専門工学の延長上の知識を習得するのに対し、二専門履修コースは別の工学科で勉強するわけですから、新たにその工学科の専門知識を、ある意味で一から勉強する必要があるからです。補習をしてはもらえますが、予備知識不足で工学実験や製図に挑まなければならないのは、かなり大変です。また1年目は必修あカリキュラムが多いこともあり、毎週レポートと課題におわれています。だからといって自分の選んだ道ですから泣き言もいってられません。なんとい?ても、2・3歳年下の学生と勉強を共にしているのに、年上の私たちがテストで悪い点などとることは許されないわけですから。
 大変ではありますが、5年間すごしてきた高専だけに、ひまを見つけては部活などに汗を流したり、以前在籍していた学科の教官にわからないところを聞きにいったりとしているようです。
 二専門履修コースの開設されてまだ日が浅く、卒業生の数もまだわずかしかいないので企業での評価もまだまだのようです。しかし、結果的に2つの工学科を修得するので社会にでた際、エンジニアとしてかなりのアドバンテージになることは確かなようです。


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