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言葉の壁

東北大学大学院工学研究科
機械電子工学専攻
   M1年   川口 薫

 最近、いやずっと前から、「言葉の壁」に悩まされています。学部にあがってから、授業中に英語の出てくる頻度があがってきたとは感じていたのですが、院になって、ますますその傾向が強くなり、恐ろしいことに、英語の授業まででてきました。私は英語が苦手で、なるべく関わらないように避けて通ってきたのですが、いまではその抜け道もふさがれてしまい、どうにも逃げられない状態になっています。研究に関する論文も殆ど英語で書かれており、毎日辞書を片手に、悪戦苦闘しています。「なんでもっと真剣に、英語を勉強しなかったんだろう」と、後悔している毎日です。
 「英語は大事だ」と、中学の時から言われ続けてはきました。しかし、英語の重要性を身をもって体験していなかったからでしょう、「ここは日本だ。日本にいる限り、英語なんて必要ない。」と、英語を軽視していた嫌いがありました。そんな私も、中学の時から現在まで英語教育を受けてきて、11年目にしてやっと、英語の重要性というものを痛感しました。
 今年の夏に、初めての海外旅行に行ってきました。海外に行くことが決まってから、「このままの英語力ではいかん」と思い、ラジオの英会語番組を毎日聞くことにしました。以前何度挑戦しても三日坊主で終わってしまっていたので不安でしたが、続けること3ヶ月、私は片言の英語と、私より英語が達者な妹とともに、北欧へと旅立ちました。ラジオで勉強していったせいか、簡単な合語程度はできました。むこうで15日間過ごしてみて驚いたのは、母国語が英語でないのにもかかわらず、語しかけた人の殆どが英語を理解し、話せたことです。英語教育が進んでいるとは聞いていましたが、これほどまでとは思っていませんでした。そして、行く先々でよく、現地の人や旅行者に語しかけられ、楽しい語を沢山聞くことはできました。そう、聞くことはできたんです。しかし、話すとなると、なんて言ったらよいのかわからず、困ってしまったことが多々あり、殆ど聞き役にまわってしまいました。伝えたいことは山ほどあるのに、言葉にできない。とても辛く、情けなく思いました。
 あなたは、外人さんに英語で語しかけられたら、ちゃんと受け答えてきますか。日本に帰ってきて、今でも英会話番組を聞いています。「英語で質問されたら、笑顔で応えられるようになろう。」、「今度外国に行ったときは、私から声をかけられるようになろう。」、それが今の目標です。


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