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我が機械科の授業風景

日本大学工学部
機械工学科高橋努

 これから、我が日本大学工学部機械工学科三年の授業の様子について、私なりに感じたことを交えながら書いていきたい。
 機械科の学生ならそのほとんど誰もが経験する設計について紹介する。三年次の設計では、エンジン設計、自由設計、CAD設計の3つのコースに分かれて、各々先生の指導の下に目標を決め、自らのカで設計をしていくという方針をとっている。
 私は、エンジン設計を選択している。実際にどのようなことをしているかというと、50tのバイクのエンジンを設計している。6人で一つの班が、まず初めに、最高出カ、最大回転数、圧縮比・ボア・ストロークの寸法等の設計仕様書を作成する。そして、それに伴うP−V線図、ピストンの特性等を全て計算し図に示し、試行錯誤を繰り返した後に、以上の事について全て決定値を算出し、準備が整った所で、各々のエンジンの部分について担当者を決め、最終的には一つのエンジンを設計するに至るのである。
 私は、ピストン、ピストンピン、ピストンリング・連接棒を担当しているが、材質、寸法、強度計算等を全て自分達が決定していくので、これは初心者の私にとっては思うようにいかない所もあり、毎日が参考書を片手に熟読玩味する日であり、設計計算(強度計算、寸法)等に、一喜一憂している次第である。また、クランク軸等、他の部品の担当者達と情報を密に取らないと、最終的に図面の上でエンジンの組立図を描く際に、寸法の食い違いが生じてしまうため、個人の努力のみならず、班が一体となって親密に情報を交える事も必要となってくる。
 さて、他の二つの設計について概略であるが説明させてもらうと、CAD設計はコンピュータ援用設計という意味の略語であり、授業においては一人一台コンピュータを割り当てられ、コンピュータを駆使して設計を行っている。そして、そのテーマとして歯車ポンプ、油圧シリンダ等CADによる製図を実施し、情報処理設計技術の修得を目標としている。自由設計とは・アイデア発想設計のことであり、具体的な例として、空き缶プレス機等自由な発想を基に.つの機械を設計し、一貫性設計手法の修得を目標としている。
 次に、簡単であるが三年次からの三つのコース制度について紹介したいは、新技術の風潮を考慮したものであり、一つは、機械と科学の共通化を図ろうとするとする「メカニカル・サイエンスコース:MS系」であり、二つ目は地球のための技術とエネルギーの在り方を考える「エネルギ・環境コース:EE系」であり、三つ目は省力化やファクトリーオートメーションを考える「情報・生産コース:IP系」の三つのコースがある。そして、学生がこの三つのコースの内の一つを自由に選択する箏ができ、そのコース独自のテーマにあった行事や会を催している。
 しかしながら、このコース制度はあくまでも「緩やかなコース制度」であり、MS系の人がEE系の行事や会に参加できないかというとそうではない。他のコースの学生でも積極的に参加することができるのである。私自信、この「緩やかなコース制度」において、知識や経験、そして人との交流を深めることができ、大変溝足している次第である。
 以上、我が機械工学科三年次の授業の様子を簡単に、自分自信の感想も交えながら説明してきた訳ですが、皆さん、どのようなご感想を持たれたでしょうか。興味を持たれた方は、一度工学部にいらしてみてはいかがですか。私がこの文以上に、機械科の魅力について説明してあげますよ。

住所 : 福島県郡山市田村町徳定字下河原126
     けやき荘7号室
氏名 : 高橋 努


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