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留学生から学ぶこと

秋田大学鉱山学部機械工学科 中村太郎

 入学当時,秋田大学は,東北地区では東北大学に次いで留学生の多い大学だと聞いておりました.私たちの研究室にも,今いる留学生に加えて今月新たに中国から留学生が来ました.来日して2週間余りなので,研究室や大学の雰囲気又,日本の文化や技術に対して強く影響を受けている時期かと思い,いくつかの質問をしてみました.
 まず”秋田大学とこの研究室(高橋研究室)の雰囲気はどうですか?”
 「秋田大学は校園(キャンパス?)がとてもきれいで又,辺りの環境が美しくて,それに教学と研究の条件もいいです.ですから人材を育てるのもいい場所なわけです.また私は高橋研究室に入っています.この研究室の様々な先生と様々の先輩はとても親しいんです.彼らば,私の研究と生活に色々なお世話をしてくれます.又研究条件もいいです.この雰囲気は,私の学習にとてもいいだろうと思っています.」
 こんなに誉められると我ながらすごいなーと思いました.又その反面僕たちはここ秋田大学の生活と場所に慣れきってしまいそんな雰囲気を見いだせにくく,果たして与えられた環境を100%生かしきっているのだろうかと思いました.
 ”なぜ日本に留学しようと思ったのですか?”
 「日本は中国に近くて,また我が国と友好関係を持っていて,それに私は,大学在学期間に日本語を勉強したことがあって,日本の実際的な状況を知りたいと思ってますから.」
 ”日本に来たことを生かして今後どのような研究活動をしていきたいですか?”
 「今後私は自分の能力を高くすることと帰国後の仕事に生かしたく,またこれら研究活動(日本での研究だと思う)は,できるだけしたいと思いますが,特に専門に関することを行いたいと思います.」この文章だけでなく,いつも慣れない日本語で一生懸命なにかを吸収しようとしている姿を見ていると,なんか僕自身も素直になって,自分も勉強しなきゃ!と思ってしまいます.
 ”日本に来てみた印象は,どうですか?”
 「日本人は,とても勤勉で規則を守っています.また,日本では,交通は非常に便利です.以上のようなことは私,日本に来た後,初めての印象です.」
 このような印象を持ってもらって本当にありがたい限りですが,外国人が日本に住んだとき,最初はいい印象を受けますが,住んでるうちに日本の悪いところが見えてきて失望する.というのをどこかで聞いたことがあります.そのようなことがないためにも,僕たちは同じ仲間として彼らともっと交流し,たとえ悪い部分が露呈したとしても互いに意見を交わし合い,考えを共有することで,”国と国”でなく”人と人”として接して切蹉琢磨していく事が必要だと感じました.
 又世界的にも,アジア諸国の技術と経済の台頭はめざましいものがあり,日本も機械工学をはじめとした技術提携に深く関与するようになったのは,周知の事実であります.将来,”国際人になるために!”とかそんな難しい事を考えなくても,”外国の友達を増やしたい!”という感覚が今,必要なんだと思います.


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