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日本のものづくりについて思うこと

秋田工業高等専門学校 機械工学科5年 谷川洋平

 平成九年十月現在、バブル崩壊以後の景気対策の失敗により、経済は低迷中。まあ具体的な失敗(と思われるもの)を挙げるならぱ、行政改革(通称行革)が思うように進まない(大蔵から金融と財政の権限を分割しようとしたが失敗、郵政と建設のそれぞれの分離も族の猛反対にあって空中分解寸前など)、消費税up、不良債権処理が遅々として進まない、金融のビッグバンがもう目前に控えているなど政治に疎い私にでもこれだけいえるのだから結構日本の経済は危ない橋を渡っているのかもしれません。
 あと、最近の新聞を眺める限りでは企業の総会屋担当や役員が利益供与を行ったとかででかでかと紙面を賑わしていますが、これに関しては日本が良くなってきていると考えるべきでしょう。これからの時代の流れである、自由で公正な市場経済を目指す日本にしてみれば、うみを取り除くことが出来たと思えば、このことは将来に良く働くはずです。
 ずらずらとこれからの日本の不安な点を色々と挙げてみましたが、私個人としてはほとんど心配するに値しないと考えています。そもそも新聞自体、一面に大したことないことをでかでかと書いていることが多いので、よほどの大事件でもない限りはあまり大勢には影響しないと考えます。(ここでいう大勢とは世界の中における日本の地位)20歳未満の子どもが人を殺そうが、どこかの病院で脳死の患者から臓器の移植が行われようが、日本の体制は変わるだろうが大勢は変わらないでしょう。(あえて上に挙げた問題については、前者の少年法については現実と照らし合わせて考え直すべきで、そして後者の脳死についての判断は実際の現場に立たされたことがないので、私には規定する権利はないだろう。)話を戻すが、心配する必要がないとおもうのには、機械学会誌や先端技術にふれた本や雑誌を見れば未来に可能性を見いたせるような内容ばかりだからである。しかもこの中身を書いているのは同じ日本人であることを考えれば、日本のものづくりの技術がいかにすばらしいかを理解することが出来るだろう。もっともこれを読んでいる人は学会誌を持っているのだから同じ様な考えを持っていると思う。
 日本には豊富な地下資源が無いから石油が枯渇すればだめになると思う人がまだ多くいるかもしれないが、実際には石油は五十年いやそれ以上はまだまだでてくるらしく、少なくとも今生きている人は老いるまで十分に使えるそうです。それが無くとも日本には、世界でも有数の人的な資源が豊富にあり社会的な生活基盤が整っていて、なおかつ高度な科学技術を有していることを考えれば、まだまだものを作って、売り続けることが可能でしょう。むしろ心配するべきは自分自身がこれらの科学技術に自分が追いつけるかどうかであり、ただ先人の築いてきた道にただ乗りするのではなく自らも進んで道を築き上げる気持ちを持ち続けることが大切なのでしょう。


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