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エコラン奮闘記 1997
八戸工業高等専門学校 機械工学科 5年 安達 太志

 第17回ホンダエコノパワー燃費競技全国大会が10月18日と19日に栃木県茂木町にある、ツインリンクもてぎで、行われました。僕達は、今回の大会で5回目参加になります。僕達のマシンは、過去5回とも完走はしているものの、去年4回目から、記録が伸びず今年は、自分達が納得できる記録には、全く手が届きませんでした。今年の目標は、600km/lでした。この目標は、約200km/lだった1回目から、毎年、プラス100kmは燃費を向上させたいということで設定されたものです。そして、僕達の作ったマシンは、その目標を達成出来る能力があったと思います。それなのに今年の記録が、伸びないどころか、大幅に落ち223km/lになってしまいました。直接の原因は、決勝直前にエンジンのセッティングを変えて、調子が悪くなり、そしてもとに戻したっもりが、きちんと前の状態になってなくて、結局時間がなくなり、残念な記録になってしまいました。この直接の原因を生んだのは、開発日程の遅れ、また後輩に技術を伝えきれなかった僕達上級生の責任だったと思います。開発日程がそこそこ順調にいったのは、過去5回のうち、1回あるかないかで、今年は本当にマシンが出来るか出来ないかの、ギリギリのところで作業が続き、肉体的また精神的にかなりきつい年でもありました。そのため、十分な試走とデータ採りが出来ずに、ある程度ぶっつけ本番で勝負ということになりました。開発日程の遅れは、僕達自動車工部の非常に悪い癖になり、結局、せっぱつまったところで、思いつきだけの「やっつけ仕事」になります。この悪い体質を一刻も早く治して欲しいと思います。
 僕は、今年度で卒業し、これからは八戸高専自動車工学部OBとして応援します。だから、今年で最後になると思われる大会で、何か賞状が欲しいと思っていたのは本当で、また、決勝前日の記録会では、僕達のグループV(高専・短大部門)では、5位の結果で、僕自身としては、かなり期待していただけに残念でしかたありませんでした。後輩たちには、このような残念な思いはさせたくないとおもいます。そのために、まだ学校にいるうちに、僕が部長として学んだ事を次の部長に伝え、自分の持っているノウハウなどを確実に後輩達に伝えたいと思っています。
 僕達、自動車工学部は、ある程度自由に学校の工場を使え、また頼りになる先生方、いろいろ親切にしてくれる技官の方々に、支えられています。本当に、物を作るには、べストな環境があります。だから、あとは部員がどこまで一生懸命になれるかが問題です。これから寒い季節になります。今年からは「冬が勝負」冬に開発を進めないと、夏になって大変になるので、「冬が勝負」をこれからのキーワードにして、がんばってもらいたいし、僕も影ながら、そういう方向に持っていけるように新部長と、よく話をしたいと思います。
 来年、僕は社会人になり、次のエコランの大会に、応援に行けるかわからないけど、次こそは、入賞して欲しいと思います。どんな事でも本気で取り組めば、出来ない事は、ないと思うので後輩達にはがんばって欲しいです。そして、忘れてならないのは、自分達は、いろんな人達に支えられていると言うことで、お世話になった人達に、いつも感謝して、日々部活に励んで欲しいと心から願っています。


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