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学生会を終えて

秋田工業高等専門学校

機械工学科 5年 北嶋 芳樹

 11月4日秋田高専高専祭最終日PM6:30。夜空には季節外れの花火が次々と打ち上がっていた。今年度は高専に入って初めて学生会に所属し、高専祭の企画、運営を担当した。そのせいかわからないが、私の見てきた過去4年間の花火とはちょっと違って見えた。

 私が学生会という、あまり縁のなさそうな場所に入ろうと思ったのはまあ、成り行きというものだと今は思う。友達にやってみたら?と誘われて、うやむやのうちになぜか学生会の名簿に、いつの間にか名を連ねていた。まあ名簿に書かれちゃあしょうがない。やってやるかあ!ということになったのである。

 しかし困ったことがあった。私はあまり人前で話をする機会に恵まれなかったせいか、大勢の人の前で話をすることが苦手だった。役員になったからには、人前で話をする機会はたくさんあるのだが機会が巡ってくるたび、極度に緊張し手足が震えてしまう。これはどうしても治らなかった。だから任期が終わったいま、やり遂げたという気持ちよりもどっちかというと、人前で話さなくていいことに嬉しさを感じている。情けないことではあるが本心だからしょうがない。

 こんな私の思い出を2つ挙げようと思う。

 まずは運動会。このときは『お着替え競争』というものを担当した。トラックの途中に衣装を置いておき、選手はそれに着替えて走るというものであるがここで私は衣装にこだわりたかった。ギャラリーのみなさんに楽しんでもらおうとバリエーションを豊富にしようと試みた。それこそ知り合いはもとより、貸衣装屋さんまでかけずり回って探した。そのときの貸衣装屋さんの「こんなにたくさん使うなんて、あんた大変ねえ」という言葉がとても印象的だったのを覚えている。

 結果からいうと、大いに盛り上がったと私は思う。しかし参加者のサイズに服が合わず、服をはだけさせたままゴールする選手が多く、苦労した私としては個人的に残念に思った。

 あとはやはり高専祭のフィナーレ、花火だろうと思う。だが今年は少しばかり危ないことが起こった。花火打ち上げ開始からすぐ、一発だけ真上に上がらず真横に飛んだ小型の花火があった。そして横一文字に芝生に火がついて、まるで大文字焼きでも見ている気分だった。もっともすぐに消化されたから、安全に見続けることができた。

 2つとも私にとって大切な経験と思い出だ。



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