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卒業研究と専攻科について

一関工業高等専門学校 機械工学科5年 田口 聡

 今回この原稿を書くにあたって、何について書けばいいのかわからなく、私に関する事といったら、"卒業研究と専攻科"しかないと思い、簡単に紹介したいと思います.

 私の研究は平面研削盤を使った研究です.機械工学科ではない人には、よくわからない工作機械だと思いますが、包丁の切れ味をよくする砥石のイメージで考えてもらえれば、なんとなく分かると思います.

 さて、研究の内容というと、超砥粒ホイール(SDC、cBN)で、いろいろな材料を研削して、砥石の削られた量、材料の減った量、研削抵抗や比研削エネルギーなどを測定してグラフにし、SEM写真で砥粒の状態の変化を材料ごとに比較します.研削する材料は主に超硬合金、SKH51、SS400の3つを用いています.

 初めてこの研究を聞いた時、基本的な知識は,2,3年のころに学んでいましたが、いざ研究になると、どこから手をつけたらいいかわかりませんでした.

 ある日、普通に卒研を進めていました.そこに先生が来ました.私はまだ作業が発展途上でした.あまりにも作業が遅れているため、いろいろ言われて、そこで自分の中で混乱して、機械操作を誤って操作してしまい、危うく砥石をだめにするところでした.その時はなにがなんだかわからなくなっていました.いかに卒業研究を理解していないかがよくわかりました.それ以降、ゆっくりでいいから理解しながら、進めていきたいと思っています.

 さて、私は今年の六月に同校の専攻科に進路が決まって、ほっとしているところです.専攻科は高専を卒業して、さらに二年間勉強できるシステムになっていて、放送大学という試験をクリアすれば大学卒業の資格、つまり学士が取得できます.高専からは普通の大学の三年に編入できますが、私はできたばかりの専攻科でどれだけ自分の力が試せるか楽しみでもあります.専攻科では,さきほど述べた卒業研究を継続して行います.今やっている卒業研究は専攻科の研究でもあるわけです.

 研究をやっていて上手くいかないのが当たり前で、自分がとても情けなくなります.しかし、上手くいかなかった作業が上手くいった時の達成感は、研究をやった人でなければ味わえないものだと思います.だからこれからも上手くいかないことが多いし、そのたびにあきらめかけたり、投げ出したりしそうになるけど、上手くいくときは必ず来ると思うし、それが自分の力と自信につながると信じてこれからも頑張りたいと思います.



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