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「ブルーライト横浜」

福島工業高等専門学校

機械工学科4年  大竹伸幸

 私が通っている福島高専では四年生の秋に首都圏の企業を見学に行く、実地見学という行事がある。この実地見学は、実際に企業を見学したり、そこで働く人たちの話を聞いたりすることで自分たちの進路について真剣に考える機会を与えてくれる行事である。今回私達は、千葉県にある新日鉄君津、神奈川県にある牧野フライス、NSK藤沢工場、日産自動車追浜工場を見学してきたのでその様子を書きたいと思う。

 今回の見学した企業で一番印象に残ったのは日産自動車追浜工場である。この工場ではフェアレディZやマーチなどを生産している。今回見学させてもらった工程はボディのスポット溶接、エンジンの組み立て、できあがった車の検査だった。いわきには日産のエンジン工場はあるが、自動車工場を見学することは初めてだったので大変勉強になった。特に授業で習っていたFMSを実際に見られたことはとてもためになった。本当に1本のラインで多品種生産していたので驚いた。また、輸出用埠頭にフェアレディZが何十台と並んでいる様子にはとても興奮した。実際に輸出船に積んでいる様子が見られなかったのは残念だった。ここでは福島高専の卒業生の話も聞くことができてとてもよい経験ができたと思う。

 今回の実地見学では今まであまり見る機会がなかった企業を数多く見学することができた。これにより今まで漠然としていた自分の将来の進路に対して、どんな仕事がしたいのか、どんな仕事が向いているのかを考えるとてもよい機会になった。これから卒業までの一年と数ヶ月を自分の将来の目標達成のため甘えを捨て自覚を持って頑張ろうと思った。

 実地見学で得たものはそれだけではなかった。それは今回の実地見学を通してクラスのみんなとの仲がさらに深まりいろいろな思い出ができたことだ。みんなと一緒に中華街で食べたフカヒレラーメンの味は格別だった。そして何より一番の思い出は、同じ学校の物質工学科の男女が山下公園で楽しそうにしている横を男三人で寂しい思いをしながら通り過ぎたことである。そしてそんな寂しい気持ちのまま上ったマリンタワーから見た、みなとみらいの夜景、それはまさにブルーライト横浜であった。



  
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