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「ビバ高専気質 〜八戸高専の場合〜」

八戸高専 機械工学科 5年 岩谷弘樹

 去る10月25日から二日間にわたり高専祭が催されました.その中で機械学会学生会からの展示としてメカライフの世界展を行ったので,今回はその企画,準備段階から当日の様子までを書かせてもらうことにしました.

 まず展示の企画段階では,すばらしいアイデアが多数出てきたのでこれはもう成功間違いなし!といった雰囲気がありました.おもしろい企画を出せば客の足は自然とこちらに向かってくる…というワケで今回の学科展示では,客を我が流体実験室のものとする自信がありました(※あくまで企画段階での話です).

 さて,展示準備を実際に始めようということになり私を含む実験室のメンバーがその重い腰をあげたのが22日くらいだったかなぁ.もちろん10月の22日です.つまり本番3日前.それまで企画内容がほぼ決まっていたのにも関わらず準備はしていませんでした.する気もありませんでした.これが八戸高専です.テストもほとんど一夜漬け.宿題は当日の朝.まぁこんな状況は八戸に限らずどこの高専でも似たようなものなんでしょうね…と信じています.そんなこんなで僅かな努力と数々の妥協を重ね,実際に行った企画,実験は次の3つとなりました(※この時点で多くの客を集めようという気はほぼ皆無…).

@噴水&ウォータードーム

Aウォータージェットによるマグネットの切断

B舟の形状を造ってもらいスピードを競う

この3つの準備は当日までになんとか終えることができました.3つの内容を簡単に説明すると,「噴水」というのは噴水です.「ウォータードーム」というのは噴水の出口に板を取り付け,板にあたった水が放射状に広がるので,その中に入ってもらい記念撮影するという企画です.「ウォータージェット〜」はウォータージェットでマグネット板を希望の形に切断してあげて,それをプレゼントするというものです.「舟の形状〜」というのは同じ規格の水中モータを用意しておき,それに発泡スチロールの胴体(この形を自由に考え作ってもらう)をつけて10mくらいのコースでタイムアタックするというものです.

 本番当日,意外にも機械工学科の展示には多くのお客様が来てくださいました.中でも多くのお客様が足を運んでくれたのが流体実験室のメカライフの世界展でした.企画当初よりも一回りも二回りもショボくなった内容でも来場してくださった方々の多くは満足した様子で,内心「こんなんでいいのか?」と思いつつも一安心しました.内容的には子供向けの企画だと思っていたのですが,大人のお客様も水で固体を切断できるということに興味を持っていただけたようなので良かったと思います.

 このように一応の成功をおさめた展示ではあったのですが,準備をもっと早くから始めていたなら,さらなる成功をおさめることができたと思います.というワケで後輩に伝えることがあるとすればそれは「企画5割,準備5割」という力配分にしなさいということですかね.今年の私たちは「企画9割,準備1割」みたいな…それでも一応の成功をおさめることができるのですが...まぁ良くも悪くもそれが「高専気質」というものだと思います.

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