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研究室紹介

いわき明星大学大学院 理工学研究科 物理工学専攻1年 菅 真也

 私が所属している研究室についてご紹介させて頂きます。私の所属する安野研究室は,材料工学をメインテーマとしており,2003年度は,大きく分けて4つのテーマに分かれ,大学院生が6名,4年生が12名で研究を行っています。それでは,その4つの研究内容について簡単にご説明致します。

1. ロケット用高強度構造材料に関する研究
 現在,宇宙航空研究開発機構 (JAXA)のM-X型ロケットのモーターケースには,マルエージ鋼という高強度材料が使用されています。本研究室ではJAXAとの共同研究として,ロケットの軽量化による打ち上げ能力の向上を目的とし,マルエージ鋼の高強度・高靭性化,機械的特性の調査を行っています。また、この研究を担当している大学院生は、実際に鹿児島宇宙空間観測所でM-Vロケットの打ち上げに立ち会うことできます。

2. ロケット・スペースプレーン用超高温耐熱材料に関する研究
 次世代宇宙往還機であるスペースプレーンの船体や,ロケットのノズルスロートへの適用が検討されている炭素繊維強化炭素複合材料や,SiC/SiC複合材料などのセラミックス基繊維強化複合材料を作製し,その機械的性質の調査を行っています。

3. 放電プラズマ焼結法を用いた新素材の創製
 アルミナ,SiCなどのセラミックス,熱伝変換材料としての適用が注目されているFeSi2(フェロシリコン)といった難焼結材料を,低コストかつ短時間で,緻密な焼結体を容易に作製可能といった,多くの利点をもつ放電プラズマ焼結法を用いて作製し,その機械的特性の評価,また,放電プラズマ焼結のメカニズムの調査を行っています。

4. 新しい自動車用構造材料として期待されているTRIP鋼の創製
 近年,新しい自動車用構造材料として,高い衝撃吸収特性を有するTRIP鋼(変態誘起塑性鋼)が注目されています。しかし,従来の鋼板プロセスでは厚板の作製が困難であり,現在,ボンネットなどの一部で適用されているのみです。そこで本研究室では,放電プラズマ焼結法という粉体加工技術を用いて,バルク状のTRIP鋼を作製し,その機械的特性の調査,高強度化を行っています。

 私たちの研究室では,以上のような研究を行っています。今後も,卒業論文や修士論文,さらに学外での研究発表に向け,有意義な研究を行っていきたいと思います。

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