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研究室紹介

八戸工業大学科

八戸工業大学工学部機械情報技術学科4年 菅原研究室 市川法昭

  菅原研究室はおもに金属の精密加工に関する研究を行っています。また、菅原研究室は別名「ものづくり研究室」と呼ばれ、大学で身に付けた知識を応用し、様々なものづくりに挑戦しています。


・品質工学を用いたラッピング加工条件の最適化に関する研究

  ラッピング加工は、ラップと呼ばれる平面の台上に工作物を置き、ラップと工作物の間に研磨液を加え、工作物に上から圧力をかけて搖動、振動させ研磨する方法です。このラッピング加工は平滑な表面が得られるため、仕上げ加工として用いられています。 従来のラッピング加工における研究では、加工に影響を及ぼす要因が多岐にわたるため、非常に長い研究期間が必要です。そこで本研究では、研究を効率的に進めるために品質工学の手法を用い、ラッピング加工の最適加工条件を見出すことを目的としています。

ラッピング加工の様子


・放電加工による極微小穴加工に関する研究
  近年、各種機器におけるマイクロ化が急速に進み、より高精度で高品質の性能が求められています。本研究では、被削材への微小穴加工を行うため、微小電極をワイヤカット放電加工あるいは型彫放電加工によって10μm以下に成形し、この電極を用いて極微小穴加工を行っています。また、ワイヤカット放電加工を用い微小径半月ドリルを成形し、このドリルを使用した穴加工も行っています。 現在の加工機では直径10μmの穴あけが限界ですが、最終的には直径1μm以下の極微小穴加工技術を構築することが目的です。

成形された電極


・イカそうめん自動加工機の試作
  販売されているイカそうめんは、JAS規格による「そうめん」の細さとは異なるものがほとんどです。本来そうめんとは、JAS規格によると乾麺の状態で直径1.3mmであると言われています。そこで、本研究ではJAS規格に基づくイカそうめんを製造したいと考え、家庭用自動加工機を製作しました。自動加工機によって加工されたイカは、見事なそうめん状になり、おいしく食すことができました。

試作した自動加工機


・スターリングエンジンの試作
  本研究では、スターリングエンジンの動作原理と基本構成および特徴を理解した上で、加熱器、再生器、冷却器を明確に設けないα形エンジンを1基製作し、そのエンジンの特性を知ると共に、加工順・組立順に従った図面の書き方、各部品の制作方法と工作機械の使用方法を学ぶことを目的としています。

  スターリングエンジンは本質的に高い熱効率を持ち、特に多種類の燃料や熱源を利用できることから、環境にやさしいエンジンとして注目されています。

α形エンジン


・からくり人形の試作
  からくり人形とは、昔の自動機械のことをいいます。今日の自動機械には及びもつかない原始的なものですが、それはその時代の最高の精密機械であり、原始的とはいえ自動機械の基本的な考え方を備えています。

  先人達が考え作ったからくり人形を通じて、その当時の自動機械の構造を理解し、からくり人形の製作を行うことが本研究の目的です。

からくり人形の機構


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