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研究室に配属されて

秋田県立大学 システム科学技術学部 機械知能システム学科

材料力学研究室 黒木 悠


  将来やりたいことがない.材料力学研究室に配属になるまでずっと感じていました.だから高校は"普通"科.文系よりは理系だったので理系の大学に入学.大学生活も取りあえず単位を落とさないように授業を受け,無難に過ごす日々でした.3年になり,就職活動という言葉が徐々に耳にするようになってきたときでさえも,まだやりたいことがなんであるか分からないでいました.しかし,3年の後期となり材料力学研究室に仮配属され,卒業論文テーマが「ポリアセタールの射出用着強度に及ぼす成形条件の影響」に決まり,その研究をやるにつれて樹脂に興味を持つことができ,将来は樹脂に関係する仕事に就きたいと思うようになりました.そして興味をもって,たった一年で就職するよりももっと樹脂のことや,いろんなことを勉強して就職したいと思い,大学院進学を選びました.やっと自分の道がみえた気がしました.さらに,研究室内では,せっかく秋田にいるのだからと秋田の祭りやイベントに参加し,さらには二つの学会に参加して発表もすることができました.

 研究室に配属された一年間が,いままで生きてきた22年間よりもずっと中身がつまっていた感じがしました.来年大学院に進学し,より中身の詰まった生活になるであろうことを期待しています.私は岐阜出身なのですが,今は,秋田県にきて自分がやってみたいことが見つかりとてもよかったと感じています.

 しかし,1つだけよくないことが.それは,天気が1年中悪いということです.天気予報でよく,今日の洗濯物の乾きやすさを示すときがあります.秋田は○(乾く),×(k乾かない)で言ったらほぼ×です.今度見てみてください.風もありえないくらい強いです.極めつけは実験をするために40キロ離れた場所にある秋田県工業技術センターにいかなくてはならないときです.春夏秋はいいのですが,冬に雪が積もっているときは最悪です.秋田県工業技術センターへは車で国道7号線を通っていきます.しかし,冬の7号線は日中も天気が悪ければアイスバーン状態,スリップ事故多発,私の車のスタッドレスタイヤは3年目,まさに命がけで実験をしにいっていました.電車で行けばいいと思われますが,使用する路線はあの脱線事故のあった羽越線,さらには1時間に1本という少なさ,手荷物は約10Kg,どちらにしても秋田県工業技術センターに行くまでが大変なのです.冬はそこに実験しに行きたくなくなってしまいそうでした.やはり実験しやすい環境というのはとても大事であると身をもって感じました.


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