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題名:「ニートと紙一重な国会議員、彼とニートを隔てている紙の厚さ」

岩手大学 工学研究科 機械工学専攻 M2 大森 雄介

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『働いたら負けかなと思っている』
『今の僕は、勝っていると思います』

 これらの言葉を知っている方はどれくらいいるだろうか。
 これらは、某ニュース番組内のニート特集にて一人のニートが語った台詞である。
 ニート。
 職に就いておらず、学校等の教育機関にも所属せず、就労に向けた活動をしていない15〜34歳の未婚の者を指し示すこの言葉は、若者の就労意識の低さが目立ってきている昨今にて、その象徴とでも言うべき存在になっている。

 ニートを大まかに分けると、能動的無業者と受動的無業者といった形で分類され、前者は自ら望んで――例えば刹那主義等で――ニートになった者、後者は失業などの理由で、望まずともニートになった者を言う。
 しかし現在の日本では、マスコミによる偏った情報提供も手伝って、どちらのニートも同じ『能動的無業者』という認識をされている。このため、勤労を美徳とする土壌のある日本では、海外とは異なり、ニートは卑賤であるという色眼鏡で見られることがしばしばである。望まずともニートになった者もいるというのに、だ。
 そういった後者のニートには、確かに同情の余地がある。しかし、前者のニートに関しては、私はその存在自体に異を唱えたいと思う。刹那主義、自身の労働を良しとしない貴族意識、逃避などの理由によるその在り方は、社会的にも害であると言えるだろう。

 これらのニートに必要ものは一体何であろうか。彼らの心を就労へと奮い立たせるもの、それは何であろうか。私は、彼らの抱いている先行き不透明な感覚や社会に感じている閉塞感を取り払うような、やり直しのきく社会、失敗から立ち直ることのできる社会作りが必要であると考える。
しかしながら、かくいう私自身も、いつ自分もニートになってしまうかわからない、という懼れを日々感じながら過ごしているのである。

 そういうわけで昨今話題のニートと紙一重の国会議員、杉村太蔵氏に淡い期待を寄せている。あれだけの失敗を繰り返しても国会議員を続けていられる。彼とニートを隔てている紙は、まだまだぶ厚いようである。
皆さん、我々は、そんな彼を温かい目で見守ろうではありませんか。

 いつの日か、CO2や戦争とともに、ニートと呼ばれる若者もいなくなる世界を願って...





岩手大学 工学研究科 機械工学専攻 M1
システム最適設計部門 工藤 大樹

 私は苫小牧高専機械工学科を卒業後、もっと知識を深めたい、将来どのような仕事をしたいのかまだ見つかっていないという理由から岩手大学機械工学科3年に編入学してきました。
 編入生はセンター試験などを受けて入学してきた学生とは多少違う学生生活を送っていると思います。ここでは私が大学生活で感じた'友達'と'勉強'の2つのことについて書きます。

 編入してきた当初は知り合いがいなく肩身の狭い思いをしていました。ですが高専5年の3月頃に参加した機械学会で、偶然にも同じく春から岩手大学機械科に編入するという人に出会い、その時に少し会話もしていたので、入学後すぐに仲良くなることができました。そして気付けば編入生同士で集まるということが多くなっていました。しかし、他の学生はもう大学生活3年目ですからすでにグループができており、なかなかその輪に入っていくことはできませんでした。ですが4年生になり研究室に配属されると、研究室間の交流や機会学会学生会主催の高松の池、ボーリング大会などのイベント、行事などを通して他の学生と交流する機会が増え友達も増やすことができました。

 まず初めに勉強に関して感じたことはとても授業数が多いということです。これは編入後、大学で認定された単位数が少ないことから、前期、後期共に28単位履修していたので他の学生と比べると時間的にはあまり余裕がなかったと思います。しかし、最も単位の取得が大変であろう実験や製図といった科目が単位認定されていたのには助けられました。そんな中、編入前に最も心配していたのは私が苦手とする英語です。他の学生は私たち編入生と違って、激しい競争に勝って大学に入学してきています。この試験勉強をしているのとしていないのとでは、大きな差があるのではないかと心配していました。案の定、私の英語力は下から数えたほうが早いと思います。ですが、研究室配属後英語に触れる機会は増えてきており、最近では英語の文章を読むのも楽しく、英語に対する意識というのが変化してきています。

 編入してきてまもなく3年経とうとしていますが、勉強はもちろん他にも多くのことを学び経験してきました。残り1年、悔いがないように、充実した時間を過ごして行けるように努力します。



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