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私の研究

日本大学大学院工学研究科機械工学専攻 修士1年 明瀬 憲由

  私の所属する坂野研究室(メカトロニクス研究室)は院生、学部生合わせて役20名が所属しています。各メンバーが個別の研究テーマを持ち、それぞれの問題点について研究を行っており、テーマの項目はロボットの作製、各種シミュレーション、音声解読、生体センサー関連など多岐に渡ります。そんな中で、私はMEMS(micro electro mechanical system)を担当しています。MEMSとは半導体加工を基にしたマイクロ加工や、それら加工法から作製されたデバイスのことを差し、注目されている分野の一つです。当研究室でも数年前から取り組み始め、平成17年度からは微小伝熱デバイスの作製を目的とした研究がスタートしました。本研究では生体細胞、特に体外受精時の卵子の保存または培養のためのデバイスの作製を目標としています。体外受精の成功率は卵子の保存状態と受精後の培養期間に左右されますが、作業工程の途中で細菌に汚染されてしまうことが問題です。そのため、体外受精に関わる多くのことを一つのチップ上で行い、作業に伴う汚染のリスクを減らすことで長期間の体外での培養を可能にすることが目的です。基板となる材料にシリコンウエハーを選定しています。シリコンウエハーの良熱伝導性と微細なデバイスによって、細かな温度制御、また急速な冷却や温度上昇を行えるのではないかと考えています。
現在はデバイス作製に必要な加工方法の検討やデータ収集、微小領域の温度測定用機器の製作などが主ですが、来年度以降は本格的に伝熱デバイスの作製に取り組んでいく予定です。


クリーンルーム内での作業の様子


  微細加工にとって塵は大敵です。そのため、作業の多くは塵の少ないクリーンルームで防塵服を着用して行っています。

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