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3年間の研究室生活

日本大学工学部工学研究科 機械工学専攻 修士2年 関根 敦弘

  学生生活6年間で最も印象深いのは、やはり研究室生活です。私の研究室では、「破壊力学」という分野の研究を行っています。私自身は大学4年生から3年間、「高温疲労・クリープ重畳条件下のき裂成長特性と損傷評価」というなんとも長いテーマの研究を行ってきました。これは、火力発電プラントにおいて使われるタービンロータ材12Cr鋼を試験片として、疲労・クリープ試験を行い破壊のメカニズムを解明しようというものです。このクリープ試験というのは長いもので数百時間に達することもあり、その間深夜も交代でデータの測定を行わなければならず、なかなか根気のいる研究でした。当然、深夜の測定当番の暇つぶし(TVゲームなど)は必需品です。

私が特に力を入れていたのは、疲労・クリープ試験終了後に損傷評価として行ったフラクタル解析です。これは材料が壊れたときに現れる破面形状の複雑さを定量的に評価しようというもので、凹凸のある破面形状を一つの数字で表せる画期的な解析手法でした。

 研究室内では研究を行っただけでなく、大学院に入ってからTA(ティーチングアシスト)という先生の授業(実験)の補助をする仕事も行いました。学生の前で実験の概要や実験方法を説明する際、まずなんといっても緊張しました。理解してもらえたか不安にもなりましたが、回数を重ねていくうちに緊張もとれわかりにくいところも工夫して教えられるようになりました。人にものを教えることの難しさを学べ、良い経験ができたと思っています。

 3年間の研究室生活では、クリープ試験の苦労やTAの経験など様々な思い出がありますが、とうとう社会人となる日が近づいています。社会人になってもこれらの経験を糧としていきたいと思います。

クリープ試験機を囲んで(右前が筆者)


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