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「2006年を振り返って」

八戸工業高等専門学校 機械工学科5年  小湊 佳央里


  2006年を振り返って,タイトルをつけるとしたら「部活」です.2006年と言っても4月から引退する8月までのことだけど,私にとって1年のうちもっとも濃厚なものとなりました.なぜなら,この5年間,一度も東北地区大会で優勝し全国大会に出場したことがなく,ついに優勝を果たし,全国大会3位という好成績を得ることができたからです.この結果を得るまでには険しい道のりがありました.
  4月に入ってすぐの春休み中に,初めて合宿を行いました.顧問の鳴海先生が「5年生に最後に東北で優勝させてやりたい」とやる気を出してくれたのです.その合宿から東北地区高専大会で優勝するための練習が始まりました.授業が終わってすぐに部活.毎週のように休日は市内の高校に練習試合に行いました.全ての時間が部活動に費やされました.先生と衝突することもありました.後輩たちのやる気のなさにキャプテンと二人でかなり悩むこともありました.大会前夜,私とキャプテンはここまでの道のりを振り返りました.「負けたら全てが水の泡」というプレッシャー.しかし,コーチの「“勝つ”ではなく,“負けない”」と言う言葉に救われました.
  そして,試合当日,はじめてみんなの気持ちが一つになったのです.普段はあまり声を出さなかった後輩も必死に声を出して応援していました.東北地区には女子バスケ部のある高専が3校しかないため,総当たり戦となります.2勝すれば全国行きの切符を手にすることができるのです.1回戦は20点差で勝利.あと1回勝てば優勝.奇跡の大逆転による勝利.最高の瞬間でした.今思い出しても胸が熱くなります.それから,全国への練習が始まり,夏休みも毎日部活でした. そして,全国大会.大会前前日に神戸に行き,地元の高校と練習試合を行い,大会に備えました.1回戦,自分たちのバスケができ13点差で勝利.2回戦の相手は昨年の優勝校.部員がたったの5人で勝ち抜いてきたという強豪チーム.人数では勝っていたが,やはり全国の壁は厚く,まったく歯が立ちませんでした.結果は惨敗.でも,最後に優勝校と戦えて全国のレベルを知ることができたし,全国3位になることができたので,まったく悔いはありませんでした.
  ほぼ毎日,休む日もなく練習で2006年は「部活」な年になりました.家族よりもバスケ部で過ごした日のほうが多い気がします.厳しい練習に耐え,いろいろ悩んだりもしたけど,ここまでこれたのはバスケ部みんなのおかげだし,なによりもここまで私たちを導いてきてくれた先生のおかげだと思います.感謝の気持ちでいっぱいです.部活を通して学んだことを社会人になってからも生かし,がんばっていきたいと思います.



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