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歩け運動

弘前大学

理工学部 知能機械システム工学科 4年 尾崎 真寿

  弘前から鯵ヶ沢への最終電車に乗り込み、鯵ヶ沢へ到着後、弘前大学へ向けて歩き出す。その距離50km。
  私は弘前大学に入学して4年目にしてこの運動の存在を知ることになりました。私の所属する研究室ではこの運動に参加するのが伝統になっており、研究室全員で参加します。この「歩け運動」に参加するという話を聞いたとき、最初はおもしろそうだと思っていましたが、そのときは50km歩くというのがあれほど過酷なものだとは考えていませんでした。
  弘前から出発して鯵ヶ沢へ到着後、記念撮影を行い、50km先のゴール地点である弘前大学に向かって出発します。あとは、ただひたすら、ただひたすら歩くだけです。「歩け運動」サポートメンバーの人たちが、休憩ポイントを設け、飲み物を配ったり、軽食を準備してくれていたりしますが、それ以外はほんとうに歩いているだけです。歩き始めは会話をしながら楽しく歩いているのですが、時間が経ち、歩いた距離が増えていくと徐々に口数も少なくなり、表情も変わっていきます。足も痛くなり、歩くので精一杯で会話をする元気すらなくなってしまうのです。また、50kmも歩くわけですから、夜遅くに出発しても歩いている途中で朝を迎え、明るくなってきます。朝になってもまだ10km以上は残っていますが、だんだん暑くなってきて体力が奪われていくためとても辛かったです。その頃には、暑さで体力が奪われていくのにくわえて、足の痛さもピークを迎えていました。歩き続けるということはもうできなくなっていて、少し歩いては休み、また少し歩いては休み、を繰り返していました。その状況の中でなんとか弘前大学まで到着することができましたが、足が痛すぎてその日だけでなく次の日もまともに歩くことすらままなりませんでした。
  あれほどまでに過酷だと思っていなかった私にとっては、とても長く、辛い50kmでしたがとても貴重な経験をすることができました。

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