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自動車部

一関工業高等専門学校

機械工学科 5年 齋藤 雄也

  私は、入学から「自動車部」に所属している。元々、車やバイクといった乗りものが好きで、それがきっかけで高専への進学を決めたので、自動車部があると知って、即座に入部を決意した。しかし、実際の活動は想像していたものとは些か異なっていた。同じ中学の先輩も所属していたので、作っているのが実際に道路を走っている車とは違うものであるというのは知っていた。しかし、出場する大会が、いわゆる「レース」では無いという事まではわからなかった。決められた周回数をこなし、コンマ1秒でも早くチェッカーを受けた車が勝つ、そういうレースを期待していた私は、入部間もなく疑問を覚えてしまっていた。
  私たちが出場している大会は、簡単に言えば、1[L]のガソリンで何[km]走れるかを競う「エコラン」という燃費レースである。決められた周回数をこなすという点では、普通のレースと何ら変わりはないのだが、早くゴールすれば勝ちというわけではない。前述のとおり、燃費が重要なファクターであるので、なるべくガソリンを使わないということを考えなくてはならない。なので、普通のレースならば考えるであろうエンジンのパワーであるとか、最高速というものとは一切関係無かった。
  低学年のうちは、これの面白さというのが全くわからず活動にも消極的だった。しかし、学年が進み、知識もそれなりに付いてくると段々とエコランの面白さに気が付き始めた。どれだけフリクションを低減することができるか、どれだけ軽い車体に仕上げられるか、等。意外に普通の車とも共通することをやっていたりする。一般車両に生かすには無理がある機構や、一点ものの部品等が多々あるので、応用できるかと言われれば難しいが。
  今では、5年間続けてきて本当に良かったと思う。高専の技術系の部活動といえば、ロボコンが有名だが、好きな分野で「ものづくり」を学べたという点は非常に大きいと思っている。当初は、この活動で実際の車について何も得られないと思っていたが、今では大きな糧になっている。この活動で得たもののおかげで自動車系の会社から内定を貰えたといっても過言ではないと思う。



図 製作に携わったマシン(左) 走行中のマシン(右)


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