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サークル活動から学んだこと

東北大学

工学部 機械知能系工学科 4年  今崎 一人

  大学に入ってすぐ,アカペラサークルなるものに入りました.私は歌がうまいわけでもなく,音楽を特別に習ったわけでもありません.ただ、初めて先輩方のアカペラ聞いた時,人の声だけで作り出すハーモニーの暖かさに感動したからです.自分もこんな歌を歌いたい.と,希望に燃えサークルに入りました.
  しかし,待っていたのは苦難の連続でした.まず楽譜が読めない.周りは経験者ばかりでスラスラ読んでいく.常に友人の足を引っ張りました.何とか読めても,声に出したら楽譜と違う音が出る.もしくは周りの人と音のピッチが合わない.これでは暖かなハーモニーなど作れるはずもありません.案の常、だんだん面白くなくなっていきました.しかし続けました.ぜんぜん上手にならない自分を見捨てない友人がいたからです.いろいろなアドバイスを参考に練習すると、徐々に上手になっているのが実感できるようになりました.そして大学3年の大学祭のステージで初めて納得のいくものが歌えました.たった20分でしたが自分の人生の中でこれほど充実した時間はないと今でも思っています.途中で投げ出していたなら,あのような満足感は得られなかったと思います.
  最近、よくあの20分の意味を考えます.そこで,ふと頭に浮かんでくるのが,「継続は力なり」という当たり前の言葉です.たしかに,継続には非常に根気がいります.今日のやる気が明日も続くとは限りません.しかし、良き友人と熱意があれば継続することもそんなに苦にはならないと思うようになりました.なんか熱血青春的なことを書いてしまいました.これからの人生において,またあの20分間のような場面に出会いたいと思っています.


図 大学祭でのコンサート風景(右から二人目が筆者)


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