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ハイテクと私

東北大学

工学部 機械知能・航空工学科 4年 大崎 克也

  私は,いわゆるハイテクと称されるものがあまり好きではありませんでした.工学部の学生にもかかわらずです.私が中学生の頃から高校生が携帯電話を持つ事が当たり前のようになりました.しかし,先に述べたような理由で,私が携帯電話を初めて持ったのは大学に入る直前でした.さすがに一人暮らしを始めるにもかかわらず,連絡手段が何もないというのは困ると考えたからです.
  大学生活が始まっても,私のこの傾向は続きます.学生実験や講義のレポートは全て手書きで作成していました.しかし,研究室に配属され,卒業研究が始まるとそうも言っておられません.実験から得られたデータをまとめるのに表計算ソフトは必須です.研究発表のまとめはワープロソフトで原稿を作りますし,講演用のスライドもパソコンで作成しなければなりません.また私の場合,研究で原子レベルのシミュレーション(第一原理解析や分子動力学)も行っているので,解析用のワークステーションや並列計算機に取り囲まれた日々を過ごしています.
  さすがにこれだけ揉まれていると,私のハイテク嫌いも最近では過去の思い出と化しつつあると感じます.この原稿を書いている今日も,『操作ミスでバックアップデータが消滅』,『ライセンス切れで計算機が回せない』,『メモリースティックのパスワードどこ行った?』などと言った専門用語?を使い回し,悩ましいトラブルと闘っています.


悩ましい仲間たち


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