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卒業研究を振り返って

鶴岡工業高等専門学校

制御情報工学科 5年  佐藤 勇太

  私の卒業研究のテーマは、「燃料電池・太陽電池ハイブリッド車の特性」です。鶴岡高専では、1993年から卒業研究としてソーラーカー研究を行なっています。そして、走行試験として、秋田県大潟村で毎年夏に行なわれるソーラーカーラリーに参加しています。2005年からは、新たに燃料電池を搭載したハイブリッド車でラリーに参加しています。このラリーは、3日間でコースを何周走れるかを競うものです。
  5年生になって、上記の卒研テーマが決まり、車の改造が始まりました。私の所属している制御情報工学科では、パソコンを使ったプログラミングなどの実習は多いですが、工具や工作機械を用いて、自らの手で「ものづくり」に触れる機会は少なかったため、初めは工具の使い方もわからず大変でした。そのため、ソーラーカーを通じて自分の手で学んだことは、これからも「ものづくり」に触れ合っていく中で貴重な経験になると思います。
  夏休みに入るとラリー参加のため秋田に行き、一週間のテント生活をしました。これほど長くキャンプ生活をしたのは、初めての経験です。真夏のテント生活は大変でしたが、先生と学生が一緒になって、食事をしたり、温泉に入ったりして、とても楽しかったです。ラリーでは、スリップ事故などがあり、思うような結果が残せませんでしたが、日本中のたくさんのチームと一緒にレースができ、貴重な体験になりました。
  ラリーが終わっても、ソーラーカーを通して多くのイベントに参加しました。地域で行なわれる祭りでの車の展示、子供たちのものづくり体験教室などです。これらのイベントでは、毎回たくさんの人たちと話す機会がありました。そこで感じたのは、多くの人が環境問題への関心を強く持っているということです。ソーラーカーやその他の環境技術について質問する人がたくさんいて、さらに環境問題についてその場で30分も話してくれた人もいました。子供たちも楽しそうにソーラーカーの運転席に乗ったり、触ったりしていました。このように、ソーラーカーを通じて地元の多くの人たちと触れ合うことができ、ここでも素晴らしい経験を得ることができました。
  以上のように、ソーラーカーの卒業研究を通じて、学校の中だけでなく、外でも多くの体験をしました。自分がこれらの素晴らしい体験ができたのは、先生や先輩、その他多くの方々が、長い間ソーラーカー研究を支えてきたおかげです。みなさんに強く感謝したいと思います。
  私は、高専専攻科への進学が決まっています。専攻科では、ソーラーカーではなく、「水車」についての研究をする予定です。しかし、ソーラーカーで得た経験を忘れずに、専攻科でも頑張りたいと思います。




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