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ロボコンで得たもの

宮城工業高等専門学校専攻科

生産システム工学専攻2年 八城翔悟

  7年間にも及ぶ高専生活の中で、いろいろなもの作りに触れてきた。その中でも、部活動としてNHKロボコンに参加した思い出は印象深い。
  低学年の頃は、先輩が設計した部品を様々な工作機械を駆使して製作する日々が続いた。最初はおっかなびっくり機械を扱っていたが、次第に慣れ、特に旋盤に関しては自分の手足のように扱えるようになった。部活動以外でも工作機械を扱う機会は多く、この経験は非常に役立った。また、機械加工に関して頼られる場面も多く、大きな自信につながった。
  学年が上がると、設計にも参加できるようになった。自分で設計したロボットが思い通りに動いてくれた時は感激したが、そこに至るまでは様々な苦労があった。前述のように、設計した部品を後輩に製作させることがある。その際に、自分が想定していた部品と違うものが出来上がってくることがあったのだ。それは自分が引いた図面がわかりにくかったことに原因があったのだが、どこかで聞いた「図面は技術者の言葉だ」という言葉に初めて実感がわいた出来事であった。伝える側である設計者は自分の意図が製作者にわかるように図面を引かなくてはならないし、受ける側である製作者は設計者の意図を理解するために必要な図面の知識を知らなくてはいけない。もの作りに携わる上では当たり前の事なのかもしれないが、実際に体験したことによって思い知ることができた。
  ロボコンを通して得た経験は、私のもの作りに対する考え方の基礎になっており、今後も役立ってくれると思う。

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