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ワイヤ式三次元座標測定機を用いたオートバイカウルの形状計測とモデリング

いわき明星大学

科学技術学部 システムデザイン工学科4年 片寄 涼

  本研究では,自由曲面を有する製品のリバースエンジニアリング研究のため,研究室と潟コハマ吉倉と共同で開発したワイヤ式三次元座標測定機を利用して,オートバイカウルの形状を計測し,そのモデルを測定座標から作成した.使用した三次元座標測定機は図1に示す.垂直の柱に水平アームを取り付け,アーム内にワイヤを通し,先端にロータリーエンコーダを備えた首振りヘッドを通して,ワイヤをあらゆる方向に引き出すことができるようになっている.水平アームの内部には磁気リニアスケールを内蔵し,ワイヤの引き出し量に応じて位置を検出する機構とし,これらのロータリーエンコーダとリニアスケールの値を用いてワイヤ先端の空間座標を算出する機構とした.この測定機で測定したカウルの諸点の座標値のpt(ポイント)ファイルを汎用三次元CADソフトHyperCADに転送して,図2に示す点群を描画し,点群に基づいて図3および図4のような曲線および曲面を作成した.計測した形状は実物とほぼ一致し,計測誤差が0.5mm程度であることを確認し,カウルの強度FEM解析およびNC加工に応用された.

図1 ワイヤ式三次元測定機          図2 測定したカウルの点群

図3 作成した曲線モデル           図4 作成した曲面モデル


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