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日本のビールの美味しさについて

秋田県立大学大学院

システム科学技術研究科 機械知能システム学専攻 野辺 理恵

  私がビールに目覚めたのは20歳の夏だった.炎天下の中,夏の甲子園予選秋田県大会を観戦し,家に帰って飲んだビールの美味しさに驚いた.それまでビールを美味しいと思ったことはなかった.乾杯だけすればいいだろという程度の飲み物だった.それは間違いだったと気付いた夏の日だった.
  2007年〜2009年にかけて,私はアフリカのモザンビーク共和国というところで,青年海外協力隊(協力隊というと井戸を掘るイメージが定着しているようだが,私は中高生の物理の先生として活動していた)として活動していた.そのとき,予想に反してモザンビークのビールは美味しかった.近隣諸国は薄味のビールだったのに対し,モザンビーク産は日本のビールに似ていた.同国のビールには,2M(ドイスエミ),LAURENTINA(ラウレンティーナ),MANICA(マニカ)の3大ブランドがある.2Mは同国で一番人気のあるビールで,日本人にも人気であった.生ビールは特に美味しかった.LAURENTINAには白と黒があり,白は2Mと似たような味で,黒は甘い.私が最も好んで飲んだのはMANICAである.キレのある辛口で,日本産のビールでいうならスーパー○ライに近い味であった.
  2年間の活動を終えて帰国する途中,スペインに寄った.有名な百貨店の食品売場で日本産ビールを発見した.葛藤した.このビールを異国スペインで飲むべきか,我慢して日本へ帰ってから飲むべきか.結果,日本へ帰るまで我慢した.その決断は成功だった.2年ぶりの日本で,新宿の居酒屋で,最初に口にした生ビールの美味しさ・・・格別だった.私は確信した.日本のビールに勝るものはないと.
  帰国して2年が経とうとしている.今では当たり前の様に日本産ビールを飲める.なんと幸せなことだろう.最近では友人に誘われて「美味しいビールを飲む会」に参加している.日本各地の地ビールを楽しめる会である.とても楽しい.ビール好きに悪い人はいないのではないかと思う今日この頃である.
  皆さんも研究に疲れて帰宅したある日,ビールの美味しさに目覚める日がくるかもしれませんよ.飲み過ぎには注意ですけどね.

2Mを嬉しそうにサーブする筆者.モザンビークの首都マプトのレストランWater Frontにて               
モザンビーク産ビール.左からLAURENTINA(白),LAURENTINA(黒),2M,MANICA

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