目次へ戻る   

NCワイヤ放電加工プログラミングツールソフトの開発

いわき明星大学

科学技術学部 システムデザイン工学科4年 松本 雄太

  NCワイヤ放電加工機の「対話型プログラミング」機能により,直線や円とそれらの簡単な組み合わせ形状の加工プログラムを作成することができるが,滑らかな形状または複数のループを有する複雑な形状の場合,高価な専用CADとCAMソフトが必要である.本研究では,Visual C++を用いてNCワイヤ放電加工プログラミングツールソフトを開発した.このツールソフトの主な機能は,(1)汎用CAMソフトの出力したNCプログラムから加工形状情報の抽出と描画,(2)ワイヤ移動開始点の設定,(3)複数のループ加工の場合のワイヤの切断場所と結線場所の決定,(4)円弧加工の「半径指定」フォーマットから「円中心指定」フォーマットへの変換,(5)メインプログラムの作成,などである.このツールソフトと汎用CADとCAMソフトの併用で滑らかな形状または複雑な形状のNCワイヤ放電加工プログラムの作成および編集ができる.応用例として,まず,図1に示す形状のデジタル画像を汎用CADソフトまたはCGソフトに読み込ませ,その境界線をBスプライン作成機能で描き,DXFデータを出力した.次に,DXFデータを汎用CAMソフトに転送して,ワークのサイズと加工方法等を設定し,図2のように加工シミュレーションを行い,NCプログラムを出力した.さらに,NCプログラムを本研究で開発したツールソフトによる設定と編集を行い,図3のNCワイヤ放電加工機に転送し,図4の加工品を得た.

図1 デジタル画像とその境界線
図2 NC加工シミュレーション

図3 NCワイヤ放電加工
図4 加工品



目次へ戻る