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マウスホイール設計における人間工学に関する研究とソフト開発

いわき明星大学

科学技術学部 システムデザイン工学科4年 佐藤 正隆

  マウスのボディ形状,ボタンやホイールのサイズ・配置はその使いやすさを大きく左右する. 本研究では,マウスデザインに人間工学を取り入れる新しい手法を確立するために,マウスを操作する際の 人差し指の動きの測定および解析を行い,ホイールのサイズおよび配置決定または評価のための設計支援ソフトを 開発した.図1に示すような実験装置で,被験者(マウスユーザ)がマウスを操作する際の人差し指の動きを, 運動平面に垂直な方向から高速ビデオカメラで観察し録画した.本実験装置は,@被験マウス,Aハイスピード ビデオカメラ(PHOTRON FASTCAM-ultima UV3),Bコントロールユニット,Cリモートコントローラ,Dビデオカセット レコーダー(SVO-260),Eビデオモニター(PVM-1450)から構成されている.また,録画をエンコード装置(GV-MDVD3) および画像処理ソフト(MovieWriter 7)の入ったパソコンに転送し,その映像から静止画を抜き出し,HyperCADソフトを 用いて,図2のように人差し指の三つの関節の回転角度θ0,θ1 ,θ2を測定した.その結果を図3に示す。 Visual C++を用いて,解析式および測定結果に基づいてマウスホイールのサイズおよび配置の設計支援ソフトを開発した. 計算結果のシミュレーションの一例を図4に示す.離散の点群はθ0の増加に伴って計算した人差し指の指先の位置, 円は点群から求めた最小二乗法の円である.計算した円の中心座標と半径は実験用のマウスホイールと近い値がえられた.

図1 実験装置
図2 人差し指の三つの関節の回転角度

図3 測定結果
図4 シミュレーション結果



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