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「高専生活を振り返って」

一関工業高等専門学校 

専攻科 生産工学専攻2年  菊池 賢斗

  私は本科と専攻科で合わせて7年間高専で過ごしてきました。7年間というと長い感じがしますが、振 り返ってみると意外に短かった気がします。その中で一番大切だと思ったことがあります。それは「基礎力」 です。私の場合、基礎を疎かにして、直ぐ応用、次のステップに飛ぶことが多かったので、振り返って今まで 習ったことを復習してみると忘れていること、分からないことが多々ありました。

高専では実習やロボット製作などを行いました。実習では、機械科の場合は低学年から旋盤や溶接などを行い 、実際に手で触れることで機械の使い方や原理を学んできました。また、製図を手で書く授業もあり、製図を書 くことの大変さも学ぶことができました。ロボット製作では、2人1組でペアとなりロボットの構想から始まり、 具体的に決まったらCADでロボットを設計し、そこから材料を購入して実際にそのロボットを製作してできたもの を相撲で戦わせることも行いました。

 5年生になると研究室に配属され、各自卒研テーマを与えられます。上記で述べた基礎力の重要性を特に感じた のは実際に研究を行ってからです。私は振動分野の研究室に配属しました。初めの半年は、連続体の振動の基礎 を行いましたが、話の内容が難しく研究の大変さを実感しました。5年生では、円錐殻の振動特性を調べるため に自作のプログラムを作成し、FEM解析と比較することを行いました。FEM解析を行う上で、円錐殻のモデ ルをCADで設計を行ったときにロボット製作で得た知識がそのまま活かされました。

 専攻科に進学してからは、より複雑な理論を用いて円錐殻の解析や円錐殻だけではなく放物面殻の解析も行い ました。また、解析だけではなく、円錐殻を製作して打撃試験から、自作のプログラムやFEM解析との同定も 取り組みました。ここでも円錐殻の製作の時に実習工場で作業を行った時も実習で習った旋盤の技術や原理の基礎 の部分が活かされました。

 高専生活を振り返ると、到るところで習った基礎が違う形で活かさされる経験が多々あり、上記で述べたことは 授業に関する主なところでしたが、研究が忙しく、何日も夜遅くまで研究をした時に、部活で得た体力や集中力など の基礎も活かされたと思います。なので、広い分野で基礎を学ぶことが大切であり、基礎ができてくれば次のステ ップに行っても困ることなく進むことができると思います。私も残りの高専生活で基礎力を大切にし、来年度から は社会人の仲間入りになるので、次のステップにスムーズに行けるようにしたいです。


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