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経験から得られること

秋田大学大学院 工学資源学研究科 機械工学専攻 1年

加藤 恭介

 私は,小学生の頃から少林寺拳法を習っていました.親に連れられ,練習を見に行ったのがきっかけでした.私に習おうという気はありませんでしたが,弟が乗り気だったため,練習に参加することになったのだと覚えています.興味を持たずに始めることになったので,初めのうちはただ言われたことをこなすように練習していたように思います.この頃は,まだ面白さを見出せていませんでした.実際のところ,小学生の間に習うことは基礎がほとんどであるため,子供達からしてみれば同年代の仲間と行動することに楽しさを感じられても,少林寺拳法の面白さを見出すのは難しかったかもしれません.
私の少林寺拳法に対する価値観が変わったのは,中学に進み,黒帯を取ってからでした.これまでの基礎的な練習から,応用の加わった内容に変わっていきました.それと同時に,自分の体を思い道理に動かせるようになっていき,どうしたらうまく技をかけられるのか試行錯誤するようになって,ようやく面白さを実感することが出来ました.それから高校を卒業するまでの間,ひたすら大会や,昇段に向けて練習を重ねていきました.
大学に進学し,部活動として少林寺拳法をするようになり,私の練習環境は大きく変わりました.部には私のような経験者はほとんど在籍しておらず,同期や後輩に教える立場となったのです.このとき初めてこれまで自分がやってきた,先生に教わり,技を磨くということが,どれほど気楽だったのかと感じました.他人にものを教えることになり,うまく言葉で伝えることの出来ないもどかしさや,間違いを教えることが出来ないというプレッシャーを知り,自分の未熟さを再確認させられました.
私はこの体験から得たことは,どれだけ勉強して経験を積んでも,学ばねばならないことは決して無くならないということでした.この教訓を活かすためにも,自分を磨くことを忘れないように,気を引き締めていきたいと思っています.

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