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ロボコンを通じて得たもの
八戸工業高等専門学校 機械・電気システム工学専攻(機械系)1年
井畑 貴悠紀

 私の高専での生活は今年で6年目となり,八戸高専に入学した当初の様子を懐かしく感じる今日このごろです。私は高専生活の大半をロボコンに費やしてきました。そのことを少しまとめたいと思います。

 私は八戸高専の本科1年から5年間ずっとロボコン部に所属していました。なぜたくさんある部活のなかからロボコン部を選んだのかというとロボットが好きというその一言につきます。じゃあロボットのどういうところが好きなのかというと、与えられた仕事をこなすその姿と、種々様々なかたちのものがあり創る側が本当になにからなにまで決められるところです。私は5年間ひたすらロボットについて考えてきましたが、そのなかであることがわかりました。それは自分にはそこまで才能がないということです。私のロボコン部で過ごしてきた時代は人材に恵まれていて、先輩や同期のおかげで全国大会に何度も行くことが出来ました。本当に素晴らしい時代でした。ですが私が表舞台で活躍したことはありません。ほとんど裏方で仕事をしていました。裏方だから何かが悪いというわけではありません。サポートに徹し、うまくいかないことがあればみんなで話し合って解決策を考えました。この5年間頑張った日々は紛れもない事実です。しかし悔いは残ります。あのときこうしていれば良かったとか、もっと自分に力があればとか、そんなことばかり考えていた時があります。だから自分には才能がないと思い込んでしまいます。散々ネガティブな内容が続いてきましたが、八戸高専で、悩み、苦しみ、戦ってきたすべての経験は本物です。

 私のこの5年間で学んだことは、理想と現実の違いを思い知ったこと、簡単には物事はうまくいかないことです。私になにか足りない物があるとしたらそれは努力でも友情でも勝利でもなく、情熱だと思います。ロボコン部を引退した今、情熱を注いでいけるものが無くなってしまいました。今自分がすべきことはこの情熱を注いでいけるものを新しく見つけることだと思います。

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