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設計図面の分類・検索・閲覧ソフトの開発

いわき明星大学
科学技術学部 科学技術学科4年生 谷口 謙太郎

 本研究は,私の所属のCAD/CAE/CAM研究室と渇ヤ見台自動車設計課の共同研究である.研究室はコンピュータグラフィックス(CG),コンピュータ支援設計(CAD),コンピュータ支援エンジニアリング(CAE),コンピュータ支援生産(CAM)などの技術を研究し、独自のソフトの開発研究も行っている.渇ヤ見台自動車は,福島県いわき市好間工業団地に本社を置く,スライドボディー車載専用車キャリアカー,ダンプカーおよびトレーラ等を製造・販売するメーカーである.この会社は世界に先駆けて,安全積降とコストダウンをテーマに,セフテーローダの開発を研鑽してきた.安全で操作性に優れ,車輌・重機輸送を合理化するセフテーローダは,多くのユーザーから高く評価され,日本一のスライドボディー生産実績を達成するまでになっている.丈夫で長持ちするボディーの設計等,信頼と実績が今も尚,開発当時のテーマとともに製品へ受け継がれている.セフテーローダをさらに完璧な製品に仕上げるとともに,多様化するユーザーニーズに応えられる,幅広いバリエーションづくりのため,新時代のトラックボディー開発に取り組んでいる.一例として,下図に自走式機械の搬送に便利なセフテーローダを示す.このセフテーローダは,自動車,建機,農機などの搬送に使用されるものである.
渇ヤ見台自動車では34年にわたって大量の設計図面やCADデータが蓄積されている.その中から最も参考になるものを探し出すことは大変な手間がかかる.このような問題を解決し,過去の設計図面やCADデータを十分に効率よく生かすため,本研究では,Visual Studio環境で,C言語,OpenGLおよびライブラリを用いて,独自に設計図面の分類・検索・閲覧ソフトを開発した.このソフトを用いて、既存の図面を分類し,その画像と分類情報をデータベースに登録すると,新規設計を行うときに,検索情報を入力すれば,データベースから参考になる図面とそのCADデータが探し出され,それをもとにして新規設計時間が短縮できる.現段階では,下図に示すような鳥居およびゲートの設計への応用を試みた.

図  セフテーローダの例

 

 

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