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経験値

秋田県立大学大学院 システム科学技術研究科 機械知能システム学専攻 修士1年
細井 柾宏

 初めての学会発表は,東北支部の秋季講演会であった.私は大勢の人の前で発表するということが苦手で緊張してしまい思うように話すことができないため,これまで人前で発表することをできる限り避けてきた.そのため,学会発表に向けて何回も練習を繰り返して,ミスを減らすことはもちろん,緊張しないようにしようと努力した.苦手だということを研究室の後輩と話していたとき,後輩自身は人前での発表はなんら問題ないと言っていたときは,羨ましかった.代わってくれよとも思った.代わったら元も子もないが(笑).日にちが近づくに連れて不安が大きくなった.だが,同時に楽しみでもあった.会場となる福島県いわき市は初めて訪れる場所であり,ワクワクしていた.また,学会に参加することで他の大学,高専ではどのような研究を行なっているのか,どのようなプレゼンを行なうのかなど,私自身にとって良い刺激になると考えていたからである.発表するセッションでは,同じ大学から他の研究室の人も参加すると聞いていたため,知り合いがいることで多少ではあるが気が楽であった.
 学会当日,プログラムから予想はついていたが,発表するセッションの聴講者の約9割は同じ大学の人であった.残念な気持ち半分,気楽な気持ち半分の感じだった.それでも,研究室が異なれば,研究のプロセスやプレゼンの仕方は当然違うため,なるほどと思うようなことが多々あり,良い刺激となった.私自身の発表も大きなミスはなく,なんとか終えることができ,一安心できた.
 学会での発表は,私にとっては大きな経験となった.今後の学会では知り合いが周りに多くいるわけではなく,研究室としても講演者は私だけであるので,このときのような感覚とはいかないだろう.それでも,その時々で自身のべストを尽くせるように精進していきたいと思う.



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