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7年の変化

仙台高等専門学校 専攻科 生産システムデザイン工学専攻 生産システム工学コース
渡邊 正法

 「白い薬品とあの緑の液体を混ぜるとどうなると思う?」「爆発する!」
リカレンジャーでよく見られる光景である.
リカレンジャーは,カラフルな全身タイツを着て小中学校で出前授業を行い,理科の楽しさを伝える活動をしている.

 私が入部した7年前は,スーツを着て活動するという文化はなかった.
出前授業ではしばしば「リカレンジャーなのにリカレッドとかはいないんですか?」という質問をされた.
顧問の先生曰く,スーツはあるが皆恥ずかしがって着ない.当時,私もその意見に同感だった.

 ある日のこと,友人が同じ部活に入った.
彼もまた以前の私がされた質問をされたらしく私に相談してきた.
スーツはあるけど皆が着たがらないことを伝えたが,彼はむしろ着たがっており,私もつられて着ることになった.
着始めた当初は羞恥心に負け,まともに活動できなかったが,
回数を重ねるにつれてむしろ進んで着るようになり,今では後輩たちにスーツの着用を勧めるようになった.

 彼が卒業しいなくなった今年度,意志を受け継ぐ後輩がレッドを受け継いでいる. 7年の間にスーツを着る文化がなかった部活は,今ではスーツなしでは語れない部活に変わったのである.

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