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ものづくり

秋田工業高等専門学校 生産システム工学専攻1年
水澤 駿介

 私は何かを作ることが好きです. 趣味のプラモデルや手芸, 道具をしまうための収納箱や小物など, これまで多くの物を作ってきました. 私がものづくりに興味を持ち, その面白さに気づくきっかけとなったのは小学2生の時に見た1つの教育番組でした。

 当時の私はベルトで変身する人間や光の巨人などが登場する特撮ヒーロー番組に夢中で, よくそれらの真似事をして遊んでいました. そうなると当然, そのヒーローたちが劇中で使用している変身アイテムや武器などのおもちゃが欲しくなってくるものです. しかし, それらは結構なお値段である上に, 強化形態や新メンバーの登場によって商品の種類も増えていくため, その全てを買ってもらえるというようなことはありません. 私も最初は主人公が使っている物のおもちゃを買ってもらえたのですが, 番組が最終回を迎え次の番組が始まると「前の物がある」という理由から新しいおもちゃをねだることが難しくなっていきます. そして遂に新しいおもちゃを買ってもらえなくなり, 私は友達が持っている物をただ羨ましがるだけとなってしまいました. そんな状態で迎えた夏休みに, 私は普段学校にいるため見ることができなかった午前中に放送されるNHKのテレビ番組をよく見ていて, その中には身の回りにある材料を加工しておもちゃを作りだすという内容の物がありました. この時に放送していた内容は, 段ボールを用いて丈夫で安定感のあるタイヤを持つ車を作るという物でした. 長い休みで暇を持て余し気味であった私は, 車も好きであったことからこれを作ってみようと思い, それを製作しました. これを作ることは思った以上に楽しく, 完成した車も満足できる物となりました. するとその時, 私の中に「段ボールや牛乳パックを使えば買ってもらえなかったおもちゃも作ることができるかもしれない」という考えが浮かび, それからはテレビを見た時の記憶を頼りに変身アイテムなどを作っていくようにもなりました. 自分で作ればお金も必要なく, 家の中で遊ぶには十分であったからです. そして何よりも, 自分でそれらの機構を考えながら組み上げていくという事や,「どうすれば本物に近くなるのか」,「丈夫にするにはどうすればいいのか」というような工夫をしていく事がとても楽しいと感じるようになっていたのが一番の理由であったのだとおもいます. その後は様々なものを作るようになっていき, 家の中から材料が消えるということが頻繁に起きるほど夢中になっていました.

 今でもこの気持ちは変わらず, 私は趣味でいろいろなものを作っていますが,その中には「このような物があれば日常生活をより快適に過ごせるようになりそうだ」と思い制作した物もいくつかあります. これは小学生の時に思った「物が無いのなら, 自分で作ればいい」という考えが原点になっているのかもしれません.



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