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FRPの引張試作

いわき明星大学 科学技術学部 科学技術学科 4年
山口翔弥 小林豊

 当研究室の卒業研究では、今年初めてCAD/CAMおよびFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)の技術を用いて、比強度の大きな複雑な形状の部品(カーボディやユニットバス)の試作を行なった。その内容の一部分として、試作したFRP材料の引張試験を行い、ガラス繊維マットの枚数とFRP材料の引張強度の関係を調べた。具体的には、ガラス繊維マット1層、2層、3層、4層の4種類のFRP材料を製作し、各種のFRP材料からそれぞれ4本の試験片を作り、下図のように引張試験を行い、試験データをまとめた。試験の結果についての考察は次のとおりである。(1)同種類のFRP材料でも引張強さに大きいばらつきがある。その理由は、FRPの材質が不均一であるからと思われる。(2)ガラス繊維マット2層また3層のほうは引張強さの平均値は大きい。つまり、ガラス繊維マットを2〜3枚を重ねてFRPの材料を作るのを推奨する。(3)試作したFRPの引張強度は公開されているガラス繊維FRPの強度より低い。所用材料(樹脂、ガラス繊維、硬化剤)とそれらの配合、FRPの製作工程、試験片の形状などの確認を行い、原因を究明し、より強いFRPを作り出すことが期待される。




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