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陸上長距離

一関工業高等専門学校(専攻科2年)
菊地文耶

 高専7年間で最も力を入れた事は何かと聞かれたら間違いなく部活動と答える.私は陸上競技部の長距離ブロックに所属し,部長を務めた.入部当初は1500mで5分も切れなかった私だが,陸上の面白さに気付き日々厳しい練習に励むことで,本科4,5年次には全国大会で入賞することが出来た.7年間という小学校よりも長い時間,そして指導者がいないという高専特有の環境の中で,陸上競技に取り組んできた私が思う,「陸上長距離の面白さ」について話したいと思う.
 陸上長距離ほど努力と才能の天秤が努力に傾いているスポーツは他に存在しないだろう.先天的な才能の有無にかかわらず,努力した分だけ結果が表れる.それが陸上長距離最大の面白さだ.さらに陸上長距離は野球やサッカーなどの複雑な連携プレーも特別な道具も必要としない.自分の体さえあれば取り組むことが出来ることも魅力的だ.私の高専では指導者がいなかったため,練習メニューは自分たちで考える必要があった.与えられた練習をこなすのではなく,その日の体調に合わせて最適なメニューを考えて実行する.学生の内から,課題に気付き能動的に考えて行動する習慣を自然と身に付けることが出来たのも,高専という特殊な環境の中で陸上に取り組めたからこそだと思う.
 自分の限界に挑戦する快感,ライバルとの駆け引き,スピード感,陸上長距離には他のスポーツにはない面白さが沢山詰まっている.ちなみに長距離選手に「走ってて楽しい?」という質問は禁句なので絶対にしてはいけない.







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