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高専での寮生活

鶴岡工業高等専門学校 創造工学科 機械コース 5年
大瀧智宏

 5年間の高専生活の中で私にとって最も印象深かったのは寮生活でした。入寮して間もない頃は親元を離れての初めての生活に不安でいっぱいで、週末の帰省をずっと心待ちにしていました。しかし暫くすると個性豊かな友人ができ、寮生活にも慣れ、初めてのインターネットにどっぷりとはまり楽しい時間を過ごすことができるようになりました。とはいえ寮生活は楽しいだけではありませんでした。夏蒸し暑く冬寒い住み心地の悪い環境、味付けの濃すぎる寮食、横着した結果溜まりに溜まった洗濯物、娯楽の誘惑に負け終わらない課題、課題に追われ友人と徹夜した日々など大変なことも多くありました。それらを含めて非常に充実した生活を送ることができました。
 されど充実した寮生活は5年間続くことはありませんでした。4年目の終わりに男子寮が一部女子寮に改装されたことで男子の部屋が減り、一部の男子寮生が退寮となりました。その中には私も含まれていました。その時になって寮に残る優先度を上げる数々の制度を活かしてこなかったことをひどく後悔しました。しかし時すでに遅く5年生の春から通生になりました。そして通生になったことで、寮生活がいかにありがたいものだったかを実感しました。例えば寮に住んでいた頃は通学にかかる時間が片道5分で済んでいました。それに比べ、通生になってからは親に車で送ってもらっても片道で1時間かかり、往復で授業約1時限分も多く消費することになりました。また週末にはよく友人と遊びに出かけていましたが、そんな機会も無くなってしまいました。そこで毎年夏休み前に入寮の募集があるためそれに望みを懸けていましたが、男子寮生の募集は無く寮に戻ることはできませんでした。
 寮生活により、体は丈夫になり自己管理能力も身に付きました。また5年間の高専生活により他では得ることのできない経験や知識を学び、多くの思い出が心に残りました。ここで学び身に付けたものを今後の社会生活に生かしていきたいと思います。







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