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ICTS2019に参加して

福島大学大学院 共生システム理工学研究科 1年
小澤匠

 私は昨年6月に中国の浙江省杭州市で行われた12th International Congress on Thermal Stresses 2019(第12回熱応力に関する国際会議)にて発表させて頂いた.国際会議の口頭発表ということもあり,事前の準備にかなり力を入れて臨んだ.まず,提出する要旨だが,自分の英語能力を総動員して完成させたものが指導教官の赤ペンで真っ赤になって返ってきた.正しいと思って書いたものが文章の形を成していなかったり,英語のニュアンスの違いによって別の意味になってしまったりしていた.最近はインターネット等ですぐに英語を翻訳することができる.しかし,英語が未熟な私では翻訳機能が誤った翻訳をしても気づくことができない.私は便利な翻訳機能に頼らずに英文を読み,文構造を理解することの大切さを痛感した.また,口頭発表をするにあたり,英語の発音もひとつずつ確認しなければならなかった.最近は便利なことに電子辞書が単語の発音を読み上げてくれるため,英語ならではの微妙な発音の違いを何度も確認することができた.私たちの周りにはインターネットやスマートフォンなど,便利な機器や機能が日々追加されている.しかし,便利だからとそれに頼りきりにならず,うまく付き合っていけるようになりたいと感じた.発表本番は緊張したものの,十分に研究内容を伝える発表ができたと感じている.また,英語での質疑応答に対応することもでき,自己評価ではかなり高い点数をつけてあげたいと思う.

 今回は,福島駅から会場となる杭州市のホテルまで,研究室の友人と私の学生二人だけで移動した.航空券の手配から,中国高速鉄道の予約,会場のホテルの予約などすべて自分たちで行った.高速鉄道の乗り方が分からず駅を右往左往したり,乗っているタクシーがクラクション鳴らしながら交差点を通過して行ったりと全てが新しい体験だった.旅の道中は中国の国土の大きさ,日本に比べ約11倍の人口の多さがもたらすスケールの違いに圧倒されるばかりだった.

 今回ICTS2019に参加したことで海外に目を向ける機会ができ,実際に海外へ行くことでとても貴重な経験ができた.また,苦手だからと敬遠していた英語を使い研究発表をしたことで多少の自信がついたようにも思える.2020年は東京オリンピックが開催され,多くの外国人の方が日本にやってくる.外国人に突然話しかけられても委縮せずに会話ができるレベルを目標に,これからも英語を勉強していこうと思っている.







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