支部長挨拶


第66期支部長
名古屋大学大学院 工学研究科 機械システム工学専攻 
教授
酒井 康彦


<経歴>
1983年 名古屋大学大学院博士後期課程単位取得退学
同 年 4月 名古屋大学勤務
1984年11月 工学博士
1991年 4月 名古屋大学助教授
2001年 4月から現職
(日本機械学会)
2005年フェロー
2011年流体工学部門長
2012年支部・ 部門活性化委員


 この度,第66期日本機械学会東海支部長という重責を担うことになり, 身が引き締まる思いです.古のことばに「軒冕(けんべん)の中に居りては,山林の気味無かるべからず (菜根譚/洪自誠/講談社学術文庫)」とあります.ここは覚悟を決めて,こころ静かに東海支部活動を見 つめ,支部運営の責務に当たりたいと思います.


 ご存知のように,機械学会には現在22部門があり,会員の皆様は3つの部門へ 登録されていることと思います.この部門を縦糸とすれば,支部はこれらをつなぐ 横糸です.部門は縦割りで,部門の講演会へ行けば同じ分野の方とは顔を合わせま すが,他の部門との関わりがほとんどないのが現状です.支部活動では,所帯が小 さい分,普段では学会でお会いしない方々との出会いがあり,分野をこえた意見交 換が容易です.私は,学会は「サロン」と申しています.すなわち,学会はある分 野で開発や研究行っている技術者や研究者の集まりであり,自由な雰囲気で意見交 換する場を提供しなければならないと思っています.部門講演会や年次大会の参加 者を見ても,ほとんどが大学・高専などの教員であり,会員の6割を占める企業・ 官公庁等の技術者や研究者向けの企画が少ないことも,活性化しない要因の一つで しょう.


 さて,日本機械学会は今年で設立120周年を迎えます. 日本機械学会の使命は,機械学会誌第一巻第一号に,「工業二従事スルモノ和合シ 各々知識ヲ交換シ其ノ道ヲ研究スルニ在ルノミ」とあり,これは120年間変わること がなく,これからも変わることがないであろうと思います.日本機械学会本部では, 昨年度の政策・財務審議会(大島まり議長:現日本機械学会会長)にて,新生「日 本機械学会」の10年ビジョンとそれに向けた具体的な活動方針(10項目)とアクショ ンプラン(各活動方針項目に付き3つのプラン)が策定されました.これらの活動方 針とアクションプランは互いに関連しあっていますが,その中で特に支部にとって 重要である活動方針は,「地域との連携強化」と「人材育成,若手支援の強化」で あろうと思います.このような本部の動きを見据え,東海支部としての具体的なア クションプランを策定,実行していくことが肝要と思います.


 今期は幹事会のあり方も変えようかと思っています.ルーチン的な報告や議論 はなるべく短くし,多くの時間をフリーディスカッションやブレインストーミングに 割きたいと思っています.幹事会ではいろんな分野(部門)の方々がおられ,分野横 断的な意見交換ができますので,サロン的な雰囲気が出せるのではと思っています. 肩肘張らないサロンでアイデアを出し,会員の皆様にとって興味深い企画が出ること を願っています.


 ここで,東海支部の現状を見てみましょう.まず,会員数ですが,東海支部は 1997年2月末の6462人をピークにして年々減少し,2016年2月末で4790人,2017年2月末で 4649人となっていす.すなわち,ここ20年間で年約2〜3%で減少し続けております. 次に学術活動ですが,2016年度(第65期)支部総会講演会の講演件数は176件,2017年度 (第66期)支部総会講演会は200件で若干の増加ですが,その中で企業会員の発表件数を 見ると,2016年度はわずかに6件,2017年度は12件に留まっています.会員減少につい ては,東海支部に限らず,全国規模でも同様の傾向ですが,支部総会講演会での産業界 からの発表,参加が少ないのは憂慮すべき事態と思われます.このような状況を鑑み東 海支部として何をすべきか,何が出来るかを考えていかなければいけません.東海支部 の活動として,従来は講演会,講習会,見学会,イベント,学生会,メカナビ東海など があり,いずれも事業としては良く企画され,評価もされています.しかしながら,事 業を継続するだけではなく,今後も事業内容を改善する努力が必要と思います.また, 前期からの引継ぎ事項も考慮する必要があります.そこで,今期の重点アクションプラ ンとして以下の4項目を挙げてみました.


(1) 特別企画の充実による会員(特に企業会員)へのサービス向上
(2) 「メカなび東海」と学生会の協働による人材育成・若手支援の強化
(3) HP改正による広報活動の強化
(4) 会計システムの整理や事務体制の充実
(1)については,今年3月の支部総会講演会から始まっていますが,機械産業の基盤的・ 先端的技術に関する魅力ある情報提供を試みるものです.(2)は会員減少に歯止めをか ける施策として期待されます.(3),(4)は学会活動の発展に不可欠と考えます.  多くの課題がありますが,十全を求めず,まずは上記の項目について,出来ること から始めたいと思います.幹事の方々をはじめ東海支部の会員の皆様のご理解とご支 援を賜りたくお願いする次第です.