イブニングセミナー(第98回)

(技術と社会部門企画)


開 催 日: 2007年9月26日18:00〜20:00 (毎月最終水曜日開催)
会   場: 早稲田大学理工学部(大久保キャンバス)55号館2階第4会議室(第3会議室→第4会議室に変更になりました)
[東京都新宿区大久保 3-4-1/電話(03)5286-3000/JR「高田馬場」駅戸山口下車 徒歩12分,都バス「都立 障害者センター」下車徒歩1分,地下鉄東西線「高田馬場」駅下車徒歩12分] →大久保キャンパスの地図(早稲田大学のホームページ)

趣   旨:

 技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も社会との深い関わりの中にあることは明らかである.我々が新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.

テーマ
および講師:


「社会科見学を受けて感じた現在の教育現場」

 私は、日本弁護士連合会の広報室で、中学生の社会科見学を担当している。中学生の訪問を受け、弁護士の仕事について、また、司法制度について、現場の様子を話すというものである。
 この訪問で中学生から必ず聞かれる質問が「試験では法律を全部覚えるんですか?」である。私は、この質問に、いまの教育のあり方の根本的な問題点が象徴されている気がしてならない。私の答えはもちろんNOである。六法全書を示し、「こんなの覚えられるわけないでしょう。そもそも試験のときには法律が見られるんだから、覚える必要がない」と答えると、中学生は驚くのである。「法律が見られるんだったら、試験にならないんじゃないですか?」と。物を暗記するのが勉強だと思い込んでいるようである。
 さらに私はたたみかける。「僕は物を覚えるのが嫌いなんです。中学高校の試験だって、試験は前ばらし、なんでも持ち込み可だった。」というと、中学生はうらやましがる。しかし、「問題前ばらしで何でも持ち込み可だということは、教科書を読んでも解けない問題が出るんだよ」と言うと、もうついていけないようだ。「鎌倉幕府が1192年にできたか1193年にできたか、そんなに重要なことかい?僕が覚えている試験問題のひとつに、鎌倉時代と室町時代の違いを述べよ、という問題があったけど、解けるかい?」と聞いてみる。こういう問題を出す先生は、今ではあまりいないようだ。
 こういう問題が出されると、みな県立図書館などに通い、文献探しに励む。どれだけ資料を探せたかが成績につながるのである。そして、いろいろな文献を、関係あるかないかを判断するために流し読みしているうちに、なんとなく自分の考えというものもできあがってくる。勉強とは、本来そういうものではないだろうか。
 私の中学・高校で、ノーベル物理学賞を受賞された小柴正俊さんがかつて教鞭をとっていたことがあると聞いた。小柴さんは、伝説の試験問題を残したと言われている。その試験問題は「この世の中に摩擦がなかったらどうなるか示しなさい」というもので、1学年180人中正解者はいなかったようである。みなさんは、わかるだろうか?


講師:佐藤文昭(日本弁護士連合会広報室中学生の職場訪問担当弁護士)

定   員: 40名
参 加 費: 会員1000円(学生無料),非会員1500円(学生非会員500円)(当日会場にて受け付けます)
申込み方法: 「イブニングセミナー(第95回)申込み」と題記し,(1)会員資格(会員番号),(2)氏名,(3)勤務先・所属,(4)連絡先(郵便番号・住所・電話番号・E-mailアドレス)を明記の上,E-mailまたはFAXにて下記までお申し込みください.
なお,当日会場でも申込みを受付けます.
FAX送付先: (03)5360-3508(担当職員 加藤佐知子)E-mail:kato@jsme.or.jp
次回予定: 「トイレ設備よもやま話」講師:折原征一(叶ワ原製作所代表取締役)
問合せ先: 〒150-8677 東京都渋谷区恵比寿2-27-10 日機装第2別館
日機装(株)流体技術カンパニー
 小西義昭
TEL:03-3443-3728  FAX:03-3444-2403
E-mail:y.konishi@nikkiso.co.jp


東京都立航空高専
 吉田喜一
TEL:03-3801-0146 ex.544
E-mail:kyoshida@kouku-k.ac.jp

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