第3回 経営と技術移転に関する国際会議 (ICBTT 2006)
The 3rd International Conference on Business & Technology Transfer



 「技術と社会部門」が単独で主催する国際会議、第3回 経営と技術移転に関する国際会議(ICBTT2006)は2006年12月9日〜11日 に東京で開催された。研究発表講演は9日、10日に明治大学リバティータワーで、テクニカルツアーは「日本科学未来館(江東区青梅)」 において行われた。
 第1回 [2002年10月20日〜21日、京都(京大会館)]、第2回 [2004年12月3日〜5日、イギリス・プレストン (セントラル・ランカシャー大学)]に続くものである。講演数は基調講演が5件、一般講演が23件であった。 会議は全て英語で行われた。

 本国際会議は「技術移転とそれに伴う経営移転」について技術の専門家である技術者と、 経営学の研究者とがそれぞれの観点から論じるユニークな会議である。第1回は3つの講演会場で並行して行われたが、 第2回及び今回は一つの会場で講演が行われ、聴講者が全ての講演を聴講できるように改められた。 第1回はいわば“様子見”の感があったが、第2回、第3回は日本人研究者とネイティブ間で英語による活発な質疑応答が行われ、 小規模ながら内容のある会議になった。「経営と技術移転」がテーマの国際会議ではあるが、「英語で研究発表すること。 そしてそれを日本から(日本の組織が主体になって)発信すること」は、本国際会議の発案者としての筆者の大きな願いであった。 インターネットが急速に普及し、それにともなって英語が事実上、国際語になってしまった現在、 この願いは的を射たものであったと思っている

 今回は日本機械学会だけでなく、IRMA-L(経済関係の情報)にも本会議開催要項の掲載依頼をするなど、 インターネットを利用した広報活動も行った。その成果(?)もあり、英国、アメリカに、今回は新たな講演者がインドから加わった。 また、モンゴルから2人の参加申込があったが、残念ながらビザがおりず参加はならなかった。
 つい最近、第1回会議の筆者の講演論文が台湾の某国立大学の先生(教授)が本年6月のフランスでの国際会議で 発表する講演論文に参考文献として引用されたことを知った。筆者にとってはうれしい出来事であるが、それ以前に、 本国際会議の講演論文が(参加しなかった)外国の研究者にも読まれている、という事実は、今後、 関係者に本会議での研究発表意欲を与えるであろう。

 数少ない日本の組織が主催する英語による本国際会議で、「経営と技術移転」についての一層の国際的な知見の交換が進むことを願うとともに、 この会議が契機となってより広い意味での国際交流が進むことを期待している。

(報告 城下荘平(ICBTT2006 実行委員長、京都大学 総合博物館))



参加者の集合写真

ICBTT2006のホームページ

      

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日本機械学会
技術と社会部門ニュースレターNo.17
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